ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

乾爸② 嫌な感じ

1995年、乾爸と同じように大陸帰りを決めた台湾の老人が、香港で置き去りにされるという事件があった。この老人は身体が不自由だったので、大陸から奥さんが香港まで迎えに来ていた。奥さんというのは当時大陸に残して来た女性のことだろう。車椅子で台…

乾爸① プロローグ

「ちょっとそこまでお使いへ行ってきて来てくれる?」こんな風に頼まれた経験、誰にでも1度や2度はあるのではないだろうか。母親に醤油の買物を言いつけられた青年は、小銭を手にぶらりと家を出て行くのだろう。それきり60年以上も家に帰れないだけでな…

インド映画ロケ地巡り Jab We Met

ヒンディー映画「Jab we met」(2007) 配役: Geet Dhillon Kashyap役:Kareena KapoorAditya Kashyap役:Shahid Kapoor ネタバレしない程度のあらすじ: 富豪の息子Aditya(シャイード・カプール)は失恋したショックから会社もべてを投げ捨て、ムンバイを…

鳴くトイレ

雲南省の勐拉(モンラー)で1泊しようと、いわゆるホテル『賓館』を探していた。なぜ賓館にこだわっているのかというと、1998年当時は下手に小さな宿泊施設に行くと、ライセンスが無いから外国人は泊められないなどと門前払いを受けることが多かったか…

ラクナウとUmrao Jaan

Umrao Jaanが実在の人物であったかどうかについては諸説あって、実はルスワーの母親だったとの説もあるけれど確証はない。 ヒンズー教徒は火葬して灰をガンジス川に流すのでお墓という概念がないのだけれど、もし実在の人物であれば当時完全にイスラム勢力・…

インド映画におけるラクナウ

ムガール帝国のお膝元 アワド藩王国・ラクナウ 藩王国とは族長や首長などが支配する部族国家で、英国統治下のインドで英国の保護国として存続したものを特にこう呼ぶ。ラクナウは後に『セポイの反乱』と呼ばれる、最初の独立戦争『インド大反乱(Indian Muti…

インド映画ロケ地巡り Umrao Jaan

ヒンディー映画「Umrao Jaan」(2006) 配役 Nawab役:Abhishek BachchanAmiran (Umrao Jaan)役:Aishwarya RaiKhanum Jaan役:Shabana AzmiFaiz Ali役:Sunil Shetty ネタバレしない程度のあらすじ ラクナウに住む文学者ミルザー・ムハンマド・ハーディー・ル…

インド映画ロケ地巡り PK

ヒンディー映画「PK」(2014) 配役 PK役:Aamir KhanJagat ‘Jaggu’ Janani Sahni役:Anushka SharmaSarfaraz Yousaf役:Sushant Singh RajputBajwa役:Boman Irani as CherryTapasvi Maharaj役:Saurabh ShuklaBhairon Singh役:Sanjay Dutt ネタバレしない程…

Ladakh⑩魔法のパンゴン・ツォ

盛大に雪の積もるチャン・ラに来てみると、意外にたくさんの車が足止めをくっていた。みんながみんなあそこで引き返した訳ではなかったというか、トイレ休憩に全員が停まって情報を仕入れたわけではなかったと言うべきか。 チャン・ラにはいわゆる峠の茶店の…

Ladakh⑨チャン・ラへ

山の上に雲うっすらだけど、だいじょーぶ!寒いけど、慣れてきたしマイナスじゃなーい!肉なし、卵なしのお弁当も持ったー!(いや、これ、昨日と何もかわってないんだけどね……)というわけで、パンゴン湖へ出発。 標高4250メートル、塩湖としては世界で…

外省人

台湾にはざっくり分けると、1945年8月15日以後に中国大陸からやって来て、台湾に定住した「外省人(ワイセンレン)」とその前から台湾に住んでいた「本省人(ペンセンレン)」、そして外省人よりさらに前に中国広東省から移り住んだ「客家人(カーチ…

Ladakh⑧へミスとサンガム

帰り道、インダス川とザンスカール川が交わる、サンガムというところで車を停める。インダス川はチベット自治区のマーナサローワル湖のあたりから始まり、ラダックを通ってその後、パキスタンに入ってカラチの近くのアラビア海に注ぐ全長3180㎞の川。こ…

Ladakh⑦いざ、パンゴン……えーっ!

「えーーっ、なんでー? あ、やっぱりウソ。昨日の夜、山酔いしたとかさっき言ったけどただの冗談だから!!」 一生懸命取り消したが、ガイドさんの「今日はヌブラ谷に行きましょう」は翻らなかった。ヌブラ谷はショヤク川の流れる広大な渓谷、谷といっても…

Ladakh⑥遠い夜明け

翌朝、目が覚めたらチョースッキリ。めまいも止まったようでふらふらもしないし、心なしかお腹もすいていた。 遠くの山の上には灰色のブランケットのような雲が広がっている。窓を開けて手を出してみると「さぶっ」だけれども、だんだん身体も慣れてきたので…

Ladakh⑤食べたら治らない

午後からだんだと気温はあがってきていて、8℃くらいにはなっていただろうか。観光後、レーのバザール(マーケット)を軽く歩いてみませんか? とガイドさんが誘ってくれる。せっかくなので連れていってもらったのだが、メインバザールのあたりはリノベーシ…

Ladakh④うわのそら

せっかく早朝に着いたのに、夕方までほったらかし? などと思うなかれ。レーは標高3500メートルの高地にある。高度に関しては比較的問題のない体質の私ではあるが、それでもなんらかの影響が出るということは、前回チベットに行った時の経験上わかってい…

Ladakh③ちょっと遠い感じ

はぁ? なんで? 朝7時、レーの空港に降り立った私はそのままくるりときびすを返し、乗ってきた飛行機で気温44℃のデリーに戻りたくなった。 レーの気温はマイナス1℃。降りただけで戦意全喪失である。寒くないはずの時期を選んで来たはずだったのに……。 空港…

Ladakh②結婚式は大イベント

踊り狂っているインドの結婚披露宴の様子を、何度か映画で観たことがある。実際に新郎が白馬にまたがって暗闇のなか町をウロウロしているのを見かけたこともあるが、それがなんなんだかよくわかっていなかった。 インドの結婚式はこんな具合。招待客をリスト…