ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

復活!ぼうけんこぞう

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客室乗務員、トラヴェルライター、ツアーコンダクター。

いわばプロの旅人として世界を回遊している間に、僕の原点であった「ぼうけんこぞう」というサイトが、プロバイダーの都合で知らないうちに消滅していた。
「ぼうけんこぞう」を通して多くの仕事とつながり、なによりたくさんの人たちと出会ってきた。その多くは今も僕の大切な友人達であり、かけがえのない財産となっている。

原点はやっぱりそこにないと。 ここに「ぼうけんこぞう」を復活させ、僕が主張する「冒険」や「地球人」という概念を改めて世界に向けて発し、僕が経てきた旅人としての軌跡、そしてまだこれからも続く旅の話などを綴っていこうと思う。

「カテゴリー」欄にアルファベットが並んでいるのは映画のタイトル索引として機能させるためなので、ロケ地などに興味がある場合はご利用ください。ロケ地からの逆引きはアルファベットで地名を検索してみてください。

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My favorite Pangon Lake at Ladakh in India where Famous Bollywood movie "Jab Tak Hai Jaan" and "3 Idiots" were shot.

バケツと手桶の理由

インド名物、バケツと手桶

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ツアー客が泊まるような5つ星ホテルではさすがに見かけないけれど、いわゆる旅人が普通に泊まるホテルやゲストハウスの浴室には、必ずといっていいほどこのバケツと手桶のセットがある。

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 こんな風に、シャワーヘッドがあっても蛇口の下にあるのが一般的。
バスタブが無いからなのかと思ってはいたのだけれど、ラダックのレーで泊まったホテルでは浴槽があるにもかかわらずやっぱりバケツと手桶が完備されていて
「なぜ、あるのだ?」
疑問は深まるばかり。インド通の同僚に訊いてみたところ
・断水に備えて水を貯めておくため
・洗濯に使うため
・浅いバスタブだと叶わない足湯もこれなら可能
・なんならバスタブとして浸かってみるのも一興(ただし、ものすごくコンパクトな体型の人に限る)

などの答えをくれて納得していたのだが、今回違う理由があることを体感した。

 

ズバリ、答えはこれ。

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スイッチを入れないといつまでもお湯は出ない、電熱器

バーをお湯のところにしていくら出してお湯が出てこないので、
「お湯が出ない!」
文句を言うと、スタッフが浴室にあるこの電熱器のスイッチを入れにきて
「15分くらいするとお湯が出るから」
と帰っていく……この給湯システムにあった。

スイッチを入れると電気が入り、タンクの中の水が温まるしくみなのだが、タンク内にあるお湯を使い切ってしまうと水しか出なくなるので、今日は念入りに髪を洗おうと思ったらまずタンクの水を全部バケツにあけきり、さらにもう一ラウンドタンクの中の水がきちんとお湯になったところでスイッチを切ってからシャワーを開始するという計画性が必要になる。

そんなしちめんどくさいことをしなくても、スイッチを入れたまま、沸かしながらシャワーを浴びればいいじゃないか……と思うのが素人のあさはかさ。(←なんの素人なんだ?)
これをやって、ちょっとお湯を止めようと思って触ると、ビリビリビリッ! 熱すぎるからちょっと温度を調節しようと思うと、ビリビリビリッ!
濡れた手でシャワーの金属製のレバーを弄るたびに、軽めに感電するのである。

濡れた手で触らなきゃいいのだが、シャワーを浴びている場合、間違いなく手は濡れている。そこで、乾いたタオルを持ってきてそれにレバーをくるんでから操作したり、もしくは手をきちんと拭いてからレバーをいじるというさらに面倒くさい展開が待ち受ける。


そうか、感電しないためにあるバケツと手桶だったのか!
ということに、今回やっと気付くに至ったのであった。 

インド式消化のいいモノ、悪いものリスト

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「咳してるんだから、海老はやめときなさい!」
とか
「今日は暑いから緑豆のデザートを食べなさい」
とか、香港・台湾でさんざん鍛えられ、いわゆる中華式の「温」「熱」「寒」「涼」「平」といった薬膳に基づいた考えはある程度理解しているつもりだったが、インドのアーユルベーダはまた結構ちがうんだなぁと思ったのが
「普段食べているものを英語で書きつらねてもってこい」
医師から宿題を出されて書き出してみた時のことだ。


消化がいいか悪いかだけの話なので、「Non-Veg(ヴェジタリアンじゃないもの)」が×なのは理解できるとしても、消化に悪いんじゃないかと思った玄米や全粒粉がOKで、野菜や果物の中でも唐辛子はさすがにNGだろうと思ったら大丈夫で、意外なものが×だった。

 

穀物関係

蕎麦
玄米
全粒粉パスタ

野菜果物関係

キウィフルーツ
ぶどう
メロン

プルーン
グアヴァ
にんじん
オクラ(△ 少しならOK)
山芋
空心菜
ほうれん草
なす(×)
ピーマン
冬瓜(◎)

にんにく
唐辛子
椎茸

魚関係

ちりめんじゃこ(×)
鮭(×)
かつおぶし(×)
ししみ(×)
アサリ(×)
海老(×)

その他

豆腐
大豆
松の実
カシューナッツ(×)

 医師のイチオシ◎の冬瓜は薬膳でいうと涼性であり、野菜類の中で唯一NGだったナスや「少な目に」と言われたオクラと同じだ。
どうも、身体を冷やす温めるだけで判断されてはいないようだが、イマイチよくわからない。
ちなみに、意外にも栗はインドに無いらしく「見たことがない」と言われたので、日本から持参した甘栗のパックをプレゼントして食べてもらい
「うん、これは大丈夫。食べていいよ」
とお墨付きを貰った。

私はほとんど食べないので上記リストには入っていないが、消化の悪いもの代表として医師があげたのは

パニール(カッテージ・チーズ)(×)
里芋(×)

であった。
素材だけだとなかなかソートしにくいのだけれど、一般的に同じ食材なら
「プロセスの少ないものを食べるべし!」
というのがアーユルベーダの医師の言い分であった。
つまり、じゃがいもを茹でて、つぶして、衣をつけて、揚げて、ソースをかけたコロッケではなく、茹でたじゃがいもに塩かけて食べろという話。同じことで、玄米と白米では「精米」という1プロセスが少ないぶん玄米に軍配があがることになる。

 

 

 

泡立てネットバラバラ事件

ラジャスタン州ジャイプールのとある三ツ星ホテルに泊まっていた時の話。
外出から戻ってみると、部屋の洗面所のレバーのところにリングで引っ掛けておいた泡立てネットが消えていた。

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泡立てネットとはこんなんである。
別に高いものでもないし、それこそ何かのオマケでもらったようなものなのだけれど、インドのなかなか泡立たない石鹸には必需品。
こんなものが盗まれるわけがないので、部屋掃除の時にうっかり捨てられたか、タオルかなにかに紛れて間違って誘拐?されたかに違いない。
ホテルのスタッフをつかまえて事情を話し
「タオルかシーツかなにかに紛れてると思うので、汚れたリネン類のあるところに案内してくれない? 自分で探すから」
頼んだところホテルのマネージャーがとんできた。自分で探すっていってるのに、いやいや僕たちで探すからと形状はどんなんで、どんな色だと事情聴取がはじまった。
WEBで検索した画像を見せたり、使い方の説明をしたりしたあげく、ハウスキーピングスタッフみんなで家探し。

結果、ハウスキーピングの人たちが使っている物入れ棚で見つかったと持ってきてくれたのだが

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なんと、こんなバラバラ殺人事件状態。
あっけにとられつつも、むしろ笑ってしまった。どうして私の部屋の洗面所に健全な状態で下がっていた泡立てネットが、こんなにバラバラに引き裂かれているのか、いったい誰がどういう意図でやったのか、それの方が気になって探偵したくなってしまうのである。
「いったい誰がやったのかは防犯カメラをトラックしてつきとめる」
マネージャーは言い、町中かけまわって探してきたという代用品を探し申し訳なさそうに持ってきてくれた。

それがこれ。

 

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 こんな高級品?じゃなくて、ペラッペラの貧乏くさい方がすぐ乾いて持ち運びやすいからいいんだけどなぁ……とか思ったのだけれど、弁償しようという努力も誠意も理解できたのでこれで納得することにした。

いや、ホント。インドは予想もしないことが起きるから面白い。 

おすすめガイドプック

ガイドブックは分厚くて重い

ひと昔前は「教科書」とも「命綱」とも呼んでいたガイドブックだけれど、最近はWIFIがあればすぐ調べられるのでその存在感が薄れつつある。
基本、わからないことは現地で訊けばいいという考え方なので、持たなければ持たないでなんとかなるのだけれど、地図はあった方が便利……と持っていきたくなることも。
ただ、とにかく分厚いので重い。で、どうするかというと

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必要な個所と地図を引きちぎるのである。
「地球の騙し歩き方」は結構簡単に引きちぎれるのだが、「Lonely Planet」はカッターで手術しないと無理。平然と引きちぎっておいてこんなことを言うのもおかしな話であるが、本好きとしては「カッター」という刃物を使うことにとても抵抗がある。

 

じゃぁ、電子書籍

「いかんせんガイドブックも古くなっているし、結構見当たらないページもあるし(!)、この機に新しいのを買おうかな」
そこで思いついたのが電子書籍。これならスマホからも読めるし、重さの問題もない。必要なところを読めばいいのだから刃物を突き付ける必要もないではないか!
とりあえず、楽天Koboに行って「Lonely Planet」を検索してみた。

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をを! 紙媒體よりも電子版の方が3割ほど安い。これにしよう! ひとりわき立ったところで
「いや、まてよ。いかなLonely Planetとはいえ、1冊5500円って高くないか?」
と。

 念のためAmazonに行ってみたら、ほぼ電子書籍の代金で紙の本が買える! ということが判明。
危ない、危ない。うかっとしていると、とんでもない詐欺にあってしまう……。

月額980円(初回30日間は無料)のKindle Unlimitedに参加している場合は電子版が無料で読めるのだが、そうでなければ3000円超。紙媒體と比べて1割ほど安いだけで、あまりお得感が感じられない。
むしろ、紙の本を買いたくなってしまうところだが、それでは重い、分厚い→刃物に逆戻りである。
安く売られている古いバージョンを買うという手もあるけれど、「新しいのを手に入れよう」としているのに、これも本末転倒である。

 

本家本元はどうなのか

そこで、本家本元のLonely Planetへ行ってみた。

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これを書いている2018年9月24日現在、アメリカドルは112.5円くらいなので紙媒體のガイドブックを買うのであれば上記のAmazonが間違いなく安いが、電子書籍eBook)であれば24.49×112.5=2755円となって本家本元の方がいくらか安い。
まぁ、為替の動向によって微々たるものではあるけれど、ここで「おおっ!」と思ったのはChaptersという、章ごとにワンコイン(4.95アメリカドル)の切り売りだ。
Rajasthanだけに行こうとしている人にとって、どう考えてもWest Bengal & DarjeelingやSikkimとか、ましてやKeralaとか全然要らないのである。突然気が変わってUttar Pradeshに行くことにしたのであれば、あらたに追加でその章だけを気が変わった時点で買えばいいし、古くなったら一冊まるごと買わなくても新しい版の該当箇所だけ手に入れられるので便利このうえない。
フォーマットはPDFなのでハイパーリンクで飛ぶといったことは出来ないけれど、アプリもいらないので容量もとられず、スマホに入れて使うにはぴったり。
PCで使えばマーカーでハイライトしたり、あらかじめ必要な地図のページを拡大印刷なんてことも可能だ。

ここ最近類を見ない良い買い物をしたと大変ご満悦なのだが、今回、ここで書いた「Lonely Planet」は英語版の話である。ガイドブックはやっぱり母国語でないと! というムキには、引き続き引きちぎりをオススメする次第なのである。 

 

Raazi

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ヒンディー映画「Raazi」(2018)

配役:

Sehmat Khan役:Alia Bhatt
Iqbal Syed役:Vicky Kaushal
Khalid Mir役:Jaideep Ahlawat
Sehmatの父親Hidayat Khan役:Rajit Kapur
Brigadier Syed役:Shishir Sharma 
Teji Khan役:Soni Razdan ←Alia Bhattの実母
Munira役:Amruta Khanvilkar
Abdul役:Arif Zakaria
Mehboob Syed役:Ashwath Bhatt
Nikhil Bakshi役:Aman Vasishth
成人のNikhil Bakshi役:Kanwaljit Singh 
Samar Syed役:Sanjay Suri  ←Sehmatの息子

 

ネタバレしない程度のあらすじ:

東ベンガルパキスタンからの独立運動が高まり、インドとパキスタンの間の緊張が高まっていた1971年のこと。
デリー大学の学生Sehmat Khan(アリア・バート)は、ガンで余命いくばくもない父Hidayat Khan(ラジト・カプール)から故郷のカシミールへ「緊急」だとして呼び戻された。
父は親友のパキスタン准将の息子Iqbal(ヴィッキー・コーシャル)との結婚を勧めるも、その結婚の目的はスパイ。祖父から父へと綿々と続いて来た「国に尽くす」ために、パキスタン軍関係者である嫁ぎ先で動きを探って欲しいというのだった。
逡巡したあげくこれを引き受けたデリーに戻ったSehmatはインドの諜報機関RAW(Research and Analysis Wing<インド版CIA>)のKhalid Mir(ジャイディープ・アフラーワト)のもとで約一か月、モールス信号や暗号、盗聴といった通信にまつわること、戦闘、拳銃の扱い方などスパイとしての特訓を受けてパキスタンへと嫁いでいく。

さて、素人いや、新米スパイの活躍はいかに?

 

小僧的視点:

 

この映画で、私にとって印象的だったのは素人スパイのあぶなっかしさでもなく、虫けらのように見捨てられることでもなく、「マジ! これ事実?」でもなく、Iqbalの動きだった。 
まず、カシミールで結婚式をあげてパキスタンの自分の家に着いた時、自ら車のドアを開けて表へ出ようとするSehmatを制して、自分がまわりこんでドアを開けたところ。何回かインドに行っているけれど、こんなことをしてもらった覚えは一度もない。この家だけのしきたりなのだろうか、それともパキスタンがこうなのだろうか?
次は見合い(もなにも結婚式当日に会っただけだけど)結婚をした君には時間が必要だといって、夫婦の寝室を引き戸で仕切って別々にして決して無理強いしなかったこと。
ふと思い出したのは、「Jodhaa Akbar(2014)」のAkbarが同じことをJodhaaにしたということ。

生まれ変わっても7回同じ人と結婚する(予定)のヒンドゥー教の人たちにとって離婚は「基本ありません」なものだけれど、
「男女ともに離婚の権利が与えられていると聖典に書いてある」
映画の中でHrithik Roshanいや、Akbarが言っていた。
この二つの紳士的な振る舞いは、モスリムという宗教的背景から来るものなのだろうか? ということばかりが気になってしまった映画であった。(←相変わらず、引っかかるところがくだらなすぎる……) 

 

Calling Sehmat

映画のアイディアを得たのは「Calling Sehmat」というHarinder Sikkaの小説からということになっているが、Sehmatは名前こそ違うが実在する人物であり、映画公開の少し前に亡くなっている。

1999年4月、パキスタンが支配の境界線である管理ラインを越え、偽装戦闘員をインド側に送り込んだことがきっかけとなった武力衝突があった。カシミール地方カルギル地区で起きたためカルギル紛争と呼ばれる。

元軍人である著者Harinder Sikkaによるとこのカルギル紛争の時、「母の話」としてSehmat(仮)の息子本人から聞かされたのがこの小説を書くきっかけとなったという。Harinder Sikkaはパンジャブ州Malerkotlaにこの息子の母親を訪ね、詳細を打ち明けてもらったようだ。
名前やディテールなどに手を加えて「小説化」するのに8年の月日を費やしたけれど、嫁ぎ先でのAbdulがらみの逸話は事実のままなのだとか。

この息子は冒頭の軍艦のシーンで、Sanjay Suri(サンジェイ・スーリ)演じるSamar Syedとして登場している。

 

 

ロケ地:

屋内の撮影はほぼマハーラーシュトラ州、あとはジャンムー・カシミール州、パンジャブ州、デリーなどにて。

1971年当時のパキスタンを現代で、しかもインドでセットではなくロケで復元。相当手が込んでいる。


 

ロケ地
Dargah of Manakpur Sharif (Mohali district, Punjab)

 お祈りのシーン

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ロケ地
Yadvinder Public School (Patiala, Punjab)

 デリーの訓練所のシーン。調べてみたらスタジアムの中に組み込まれている学校だった。f:id:bokenkozo:20180809061256j:plain

 

ロケ地
Central State Library(Patiala, Punjab)

盗聴器を仕掛ける訓練? 中、なんでこんなに本がいっぱいなのかと思ったら……

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 実はパンジャブの図書館であった。f:id:bokenkozo:20180809055901j:plain

 

 

ロケ地
Neemrana's Baradari Palace (Patiala, Punjab)

 「Ae Watan」の歌の練習をするBaigの家のシーン。f:id:bokenkozo:20180809055045j:plain

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ロケ地
Moti Bazaar (Malerkotla, Punjab)

 いわゆるメインマーケット、エージェント達とのやりとり、爆弾爆発のシーンなどf:id:bokenkozo:20180809055405j:plain

 

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ロケ地
Civil Hospital  (Pahalgam, Srinagar, Jammu and Kashmir)

 病院のシーンf:id:bokenkozo:20180809085550j:plain

 

ロケ地
Colonel's Retreat Kashmir  (Shiv Pora, Srinagar, Jammu and Kashmir)

 結婚式のシーン

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ロケ地
 Doodhpathri  (Budgam, Jammu and Kashmir)

 国境のシーン

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ロケ地
 Miranda House University Of Delhi (Delhi)

 キャンパスシーンf:id:bokenkozo:20180809064750j:plain

ロケ地
 India Gate (Delhi)

 

ロケ地
 INS Viraat (Mumbai, Maharashtra)

 海軍の軍艦のシーン

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この映画が観られるサイト:

Raazi (2018) Hindi in HD - Einthusan

 

Road to Ladakh

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ヒンディー映画「Road to Ladakh」(2003)

配役:

Shafiq役:Irrfan Khan
Sharon役:Koel Puri
John Chako役:Milan Moudgill

 

ネタバレしない程度のあらすじ:

 麻薬密売人のShafiq(イルファン・カーン) と、コカインを吸いつつひとり旅をするSharon(コエル・プリー)の物語。
危険なニオイのするShafiqに自暴自棄で孤独なSharonは惹かれ、呼び止められたインド軍の士官John Chacko (ミラン・ムドゥギル) に大した意味もなく「彼は私のボーイフレンドだ」と伝える。
二人の感情が高まっていく中、軍とJohnの捜査が進むものの「ボーイフレンドだ」とのたまうSharonの存在がそれを阻む。見捨てればShafiqが殺されてしまうことを理解したSharonは、Shafiqとともに行動して彼の任務を遂行させるべきなのか、それとも?

 

小僧的視点:

Leh Manaliハイウェイを行く約50分のショートムービー。荒涼とした風景の中、なぞの男とヤバイ感じの女性のスリリングなストーリーが繰り広げられる。
雨がまったく降らないため住人が雨を見たことがないされるKunzum峠で雨が降って道路が(砂なので)溶け出したり、テントが流されたり寝袋がビショビショになったり、がけ崩れでと、撮影はかなり過酷だったようだ。そうでなくとも高山病との闘いがあっただろうに、なんとIrrfan Khanは新しい映画会社のためにギャラ無しで参加している。
おまけにプロデューサーが製作費とともにドロンして、John Chacko役のMilan Moudgill が現地のお店から借りるなどのハプニング。がけ崩れで燃料が足りなくなったり、酔っぱらったドライバーがIrrfan Khanが運転していた車の窓をぶつけて壊したりと……どうなってるんだなインド映画。

youtu.be

 

 

ロケ地:

 ヒマーチャル・プラデシュ州からジャンムー・カシミール州へと続くハイウェイにて。題名は「Road to Ladakh」なのだけれど、LehもLadakhもまったく出てこない。

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この映画が観られるサイト:

Road to Ladakh (2003) Hindi in HD - Einthusan

 

Bioscopewala

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ヒンディー映画「Bioscopewala」(2017)
邦題:「ビオスコープおじさん」

配役:

Rehmat Khan役:Danny Denzongpa 
Minnie Basu役:Geetanjali Thapa 
Robi Basu役:Adil Hussain 
Wahida役:Tisca Chopra 
Ghazala役:Maya Sarao 
Bhola役:Brijendra Kala
Shobita役:Ekavali Khanna 
航空会社のスポークスマン役:Ivan Rodrigues 
Bakht Rawan役:Shashi Bhushan
Zadran役:Mir Sarwar
Security Officer役:Ahmer Haider

 

ネタバレしない程度のあらすじ:

 コルカタに住む写真家Robi Basu(アーディル・フセイン)は、コルカタの空港からアフガニスタンへ飛び立つ直前、パリに留学中の娘Minnie Basu(ギタンジャリ・ターパー)に電話をかける。しかし、Minnieは忙しさにかまけてその電話に出なかった。

ところがRobiが乗った飛行機は墜落、帰らぬ人となる。あわててパリからコルカタへ戻って後処理に追われるMinnieのもとへ、Robiが長年保釈を要請していたRehmat Khan(ダニー・デンツォンパ)が「恩赦で釈放された」という知らせが入る。
「Rehmat Khanっていったい誰? なぜ私が身受けするの?」
理解できないMinnieにRobi の助手であるBholaの説明により、Rehmat Khanが幼い頃にかわいがってくれた「ビオスコープ(のぞきカラクリ)おじさん」だということをMinnieはやがて思い出す。

Rehmat Khanは殺人犯として服役していたのだが、ゆかりの人々を訪ね歩くうちに彼の歩んできた人生、”殺人”の背景と真実を知り、父の遺品の中にあった手紙や自らの記憶を頼りにRehmat Khanの娘を探しに彼らが昔住んでいたアフガニスタンの村を訪ねるのだった。

 

 

この歌、とても好きだ。

小僧的視点:

Rabindranath Tagore(ラビンドラナート・タゴール)原作の「Kabuliwala(邦題:カブールからきたくだもの売り)」を元に作られた映画は、Balraj Sahni(バルラージ・サハーニ)が主役を演じた『Kabuliwala(1961)』が有名だが、その映画からインスピレーションを得て創られた作品。
日本語のタイトルは”ビオ”スコープとなっているようだが、実際はバイオスコープが正解。歌の中の歌詞もそう謡っている。

 

ダメダメな神さま? Rabindranath Tagore

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Rabindranath Tagore(ラビンドラナート・タゴール)は、インドのベンガル地方コルカタの名門の家に1861年に生まれた。
写真を見るとなにやら神さまっぽいいでたちであるが、子供の頃は英国式の厳格な教育に馴染めず学校を3つもドロップアウト。17歳で英国留学をするも卒業はできず。
なのに1901年、宗教家の父が道場を開いていたカルカッタの北西・シャーンティニケータンに野外学校を設立。その後、この学校は1921年に大学となり、1951年にはインド国立大学とされ、現在はヴィシュヴァ・バーラティ国立大学となっている。
ダメダメな神さまは実は教育者であり、インド独立にもけっこう加担するものちに政治から身をひいている。

8歳の頃から詩を作り始め、小説、戯曲のほか、音楽、絵画、思想、哲学など、タゴールの優れた才能はあらゆる方面に及び、インド国歌「Jana Gana Mana」やバングラデシュ国歌「我が黄金のベンガルよ」の作詞作曲者としても有名だ。
自らの詩を英訳した、“神への捧げ歌”という意味の「Gitanjali(ギタンジャリ)」で世界的な名声を得て、1913年にはアジアで初のノーベル文学賞を受賞。今回のMinnie役の役者の名前はGeetanjali Thapa、綴りは違うが偶然にもギタンジャリだ。「Gitanjali」は青空文庫にて無料で読めるので、興味のある方は是非。
まぁ、これほどの才能があれば型にはめるのが無理というか、そもそもこういう人に学校なぞ必要がなかったんだろうと思う典型である。

日本の文化や伝統を愛していたというタゴールは1902年にはインドを訪ねた岡倉天心と親交を結び、1913年の天心の死までその交友は続いた。
1916年に初来日。アメリカからの帰途で立ち寄った時も含めると生涯のうち五回も日本を訪れ、日本の西欧化や帝国主義に警鐘を鳴らしたという。

この映画のたたき台となっている「Kabuliwala」は、1892年に 「Sadhana」誌に発表した短編小説で、タゴールの作品の中でも最も多言語に翻訳されているものだ。
舞台はおよそ100年前のインド首都・英領カルカッタ(現コルカタ)で、アフガニスタンから来た果物売りの大男と少女の友情、父親の娘へのしみじみとした愛情が、作家である「私」の一人称で語られている。

作家である「私」の娘で5歳になるミニーはおしゃべり好き。あるとき、ひょんなことからミニーはカブールから来た行商人、果物売りの大男と仲良くなる。
ミニーと果物売りの男が毎日ゲラゲラ笑ってはふたりで楽しそうに話していて、「私」の妻はそれを心配していた。そんなある日、果物売りは掛けを踏み倒した客を殴ってしまい刑務所へ入れられてしまう。それ以来、「私」の家族はミニーも含めてこの男のことをすっかり忘れてしまっていた。
思い出したのは8年後、ミニーが嫁いでいく日のこと。昨日出所したという果物売りが、ミニーに会うためにやってくる。最初は追い払おうとした「私」だが、果物売りの男にミニーと同じくらいの娘がいたことを知り、娘を想う親の不憫さに同情し意を決してミニーに会わせるも……


この小説の発表当時、タゴール自身の長女もミニーとほぼ同じ年令だった。当時は12~13歳で結婚する のが普通であったベンガルの娘たちへの父親の想いはひとしおであったのだろうと想像できる。
100年前のことと思っていたけれど、インド人の友人たち(みんな三十路)の母親が40代で、祖母が50代であることを知ると、ごく最近までそうだったんだなと思わずにはいられない。 

「Kabuliwala」はヒンディー語がOKならば、下記のリンクから無料でスマートホンで楽しめる。


日本語は無料にてWebというわけにはいかないので、書籍をどうぞ。

 

 
「Bioscopewala」はアフガニスタン人、行商人、ミニーにさまざまなことを教えてくれる人という「Kabuliwala」の基本設定をいかしつつも、まったく違った物語となっている。冒頭の部分は服役していた理由が殺人とあって、ちょっとだけサスペンス調。
アフガニスタン絡みのシーンと、優しい嘘が心の糸にひっかかる

 

個人的には落語「くっしゃみ講釈」に出て来る「八百屋お七」ののぞきからくりとは随分雰囲気の違う、インド版Bioscopeの比較が出来たのが楽しかった。
八百屋お七のぞきからくりはこんな感じ。

 

 

普段は広告関係の仕事をしていて、映画は初というDeb Medhekar監督は母親がベンガル人。子守歌もベンガル語ならタゴールの歌もよく聞かせてくれたとのことで、子供の頃からタゴールに親しんできたのだという。
もともとAmitabh Bachchanアミターブ・バッチャン)を主役に立ててタゴール作品を映画にしようとしていたのだけれど、製作がズルズルと底なし延期になったため、監督からアイディアを引き継いでDeb Medhekarがメガホンをとったという経緯がある。

なぜ、Amitabh BachchanではなくDanny Denzongpaの起用となったのかといえば、アフガニスタンにはパシュトゥーン人とハザーラ人という二つの大きな部族があり、ハザーラ族はモンゴロイドの顔つきでシッキム出身のDanny Denzongpaに合致したからなのらしい。
パシュトゥーン族の顔つきであるAmitabh BachchanがBioscopewalaだったとしても特に問題はないように思うのだが、まぁ、そのあたりは大人の理由なのだろう。
Danny Denzongpaを観ていて
「あれ? どっかで観たような……」
と思ったのだが、「Khuda Gawah(1992)」にKhuda Baksh役で出ていた。

 つまり、カブール・ロケに行ったことがあるのだ。
今回、実際にアフガニスタンでロケは行われておらず、かわりに突っ込みどころ満載ながらラダックで撮影されている。
撮影場所の選定などについても、Danny Denzongpaの過去の経験は役に立ったのではないかと想像できる。

もうひとつ、Minnie役のGeetanjali Thapaを観ている間じゅう「えーっと、何ていう名前だったっけなぁ。あの人にそっくり……」とそればかり考えていたのだが、ようやっと思い出せた。

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森川由加里だ。
監督がMeena Kumariのファンで、Meena Kumari似のGeetanjali Thapaを抜擢したのだそうだが、はっきりいってあんまり似ていない。

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のぞきからくりの中の登場人物としても現れるMeena Kumari

森川由加里似であることからもわかるのだが、シッキム出身のGeetanjali Thapaもまたモンゴロイド系なのだ。つまり同じような顔つきのDanny DenzongpaとGeetanjali Thapaが二人寄ると
「もしかしてこの二人って同郷なの?」
とか間違った発想をしてしまうし、かたやモスリムでかたやヒンドゥーという風に見えない。むしろ
「二人ともチベット仏教徒なんじゃ?」
な感じがしてしまうのである。Meena Kumariは1972年に亡くなっているので実際問題無理な話なのだけれど、それこそMeena KumariとDanny Denzongpa、もしくはAmitabh BachchanとGeetanjali Thapaであればもっとスムーズなのにと思わなくもないが、人として普遍的な”愛”に触れることのできる、切ないけれど幸せになれるとてもいい映画だ。

 

カブールとカルカッタ

アフガニスタンと当時インドの首都であったカルカッタ(現・コルカタ)は、どれくらいの距離があったのだろうと地図を開いてみると……
なんと2570km!!
今ある舗装された道を歩いて来たとしても521時間である。
Google Mapに電車や車、飛行機という設定はあるが”馬”とか”らくだ”はないので、ちょっと計算しずらいのだけれど、寝たり食事したり山を越えたりと考えると馬や列車を使っても2週間くらいだろうか。
と、遠い……。

 

 

 ロケ地:

ジャンムー・カシミール州と西ベンガル州にて。

 

 

 

ロケ地
 North-western Ladakh (Janmu Kashmir)

アフガニスタンのシーンはラダック北西部にて。 

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'Bioscopewala', a modern take of Tagore's famous Kabuliwala - The Hindu

A major part of the film is set in Afghanistan. Tell us about the different shooting locations that you used in the film.

Well, the Afghanistan sequences are actually shot in the north-western Ladakh. The landscapes as well as the architecture there had great similarity to what we found out about Afghanistan in our research. We actually went through the photographs from the 1990s, in particular those taken by Steve McCurry during the time he was travelling through Afghanistan. We went back to magazines and studied an immense amount of photographs. After completing our research, we did the recce for about 10-12 days in order to find exactly the right locations for our shoot.

 

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ロケ地
 Kolkata (West Bengal)

 

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この映画が観られるサイト:

Bioscopewala (2018) Hindi in HD - Einthusan