ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

台湾

台湾のお葬式

日本ではおごそかに行われるお葬式も、台湾では結婚式と同じくハデハデでとてもうるさい。 今でこそ台湾の人の平均寿命は男性は77.01歳、女性は83.62歳(2016年)とあがってきてはいるが、私が台湾に住み始めた当時は70代前半だった。だから、80歳を過ぎて…

コロンブスも暦に脱帽?

旧暦の5月5日は台湾では国民の祝日、端午の節句だ。 ボートレースが行われることから、『ドラゴンボールフェスティバル』とも呼ばれている。本格的な夏のはじまりとされ、この日を過ぎれば長袖の服を片付けてしまっても大丈夫だと言う人もいる。 邪気を追…

柔らかい飲物とOpen Shoes

2017-12-15 投稿者: 小僧 台北からサンフランシスコへの飛行機の中、配られたメニューには「昼食」「スナック」「朝食」の3つの種類の食事が記されていた。たった10時間くらいのフライトなのに3食!提供する乗務員さんにしたら「食事サービスが終わった…

4000万円のチップ

賭け事禁止の台湾で1982年以来綿々と続いている宝くじがある。それは『統一發票』だ。 奇数月の25日に抽選があり、翌日の新聞と政府系銀行に番号が貼り出される。引き換え期間は翌月の6日から3ヶ月間。以前からの賞金6等賞の200元(約800円)から…

政府公認大賭博場

台湾の正月は太陰暦、旧暦で祝うので毎年違う日付。来年2018年のお正月は2月16日だ。 台湾では日本のLOTOのようなものが近年合法となったのみで、一切のギャンプルは「違法」。日本のように「合法」である競馬、競輪があるわけではなく、賭け麻雀も禁止と…

茶壷を飼おう!

台湾流茶藝はおちょこのようなカップでお茶を飲む。背の高いカップはニオイを嗅ぐためだけのもの。 「茶壺を飼う(養茶壺)」という言葉をきいたことがあるだろうか? 中国語で『茶壷(ちゃー・ふー)』はお茶を入れる缶のことではなくて、急須のこと。『養…

ツキを呼ぶおまじない

ツキを呼ぶおまじない① 猪脚麺線 「最近なんだかツイてないんだよ」そうぼやいているアナタにいい話。台灣では麺線(ミースワ)という極細の麺を油で揚げたものに、トン足を煮込んだものを薄切りにしてのせ、醤油あんをかけた物を食べて邪気払いをする。刑務…

台湾ぶらぶら歩き

内歴駅前の中華路を中歴の方に向かって歩いていく。ぼんやり歩いていると見過ごしてしまいそうな、緑の小さな看板には「自立新村」の白い文字。角を左へ入って10メートルあまりいくとそこは踏切だ。長い線路は左が首都台北を経由して雨の街基隆へ、右は台…

寿限無

「名前が短くていいね」メキシコ人の友達に言われたことがある。 メキシコでは試験などの際に、正式なフルネームを書かなければならない。自分の名の後に両親の姓名を記す。この両親の名前にもそれぞれ祖父母の名前が入っているので、正式の名前には都合4人…

電車は社交場? 台湾莒光號のススメ

台湾の鉄道駅には、日本のように駅名が大きく表示されていない。ホームの柱にほんの小さなブリキの看板がかかげられているだけ。乗降口も1輌に2つしかないから、特に小さな駅では降りるとなったら、前々からスタンバイしていないと降ろしてもらえない。だ…

フルネーム連呼

「もしもし、鈴木さんのお宅ですか?渋谷と申しますが奥様はいらっしやいますか?」これは日本人の友人に電話をして、ご主人が受話器を取った場合の台詞だ。ところがこれが台湾人が相手となると、『もしもし』以外は全部使えない。 まず『鈴木さんのお宅です…

乾爸⑭ 韶山

韶山翌日は湘潭の西駅から、国営のバスで韶山へ向かう。昨日、私が乗ったのは私営のバス。国営のバスは時間通りに出発するし、相変わらず乗客はスパスパ煙草を吸うものの……とりあえず車内にガソリンの入ったタンクを積んでいることもなさそうだった。 1時間…

ダイヤモンドはお好き?

地面に散らばる書類と服、引き出しという引き出しは抜き取られ、逆さまにひっくり返っている。あまりの悲惨な有様に、ドアの鍵を開けて家の中に入った私は一瞬、言葉を失った。家を間違えて入ってしまったか、知らないうちに大地震でもあったのかと思うほど…

乾爸⑬ あわや火だるま

バスに乗り込んで7元払う。乗客はみなスパスパ煙草を吸っている。もーー、なんでこうなのだぁ。空港なんかは全部禁煙なのに、バスの中や電車の中ではみんな煙草吸い放題。中国というのは世界でも珍しい、スモーカー天国の国かもしれない。ケムいのだけど、…

乾爸⑪ 置き土産

突然車が故障して、電灯ひとつない山の中で立ち往生。時計を見ると夜10時だった。運転手の兄ちゃんは「人を呼んでくる」と通りかかった車に乗ってどこかへ消えてしまった。懐華まではあと90km、とても歩いて帰れる距離ではない。暗闇の中に残されると、…

乾爸⑫ みちくさ

今回は乾爸を送り返すのだけが目的だから、任務を終えたらすぐに帰ろうと思っていたのである。しかし、長沙から香港へ戻る飛行機は週に2便のみ。夜中の1時にガセネタ通り? 列車があれば、翌日の昼頃には長沙に戻れて夜7時過ぎの飛行機には間に合った。し…

乾爸⑩ 依存体質

まったく反省の色の見えない次男ではあるが、彼が博打に走ったのは失恋がきっかけだったらしい。結婚しようと思っていた彼女が「どうしても大学へ進みたいが学費が足りない」と次男に泣きつき、次男は乾爸に「将来の嫁のため」と学費の援助をせがんだのだ。…

乾爸⑨ 博徒がふたり

68歳になる乾爸の弟さんとその息子二人、長男のお嫁さんとその子供。これが乾爸の家族である。甥が二人いると聞かされたけれど、先ほどから一人しか見当たらない。「あれ? もう一人はどこ?」聞いてみるに「長男は牢屋」という意外な返事にびっくり。なん…

乾爸⑧ 超高級住宅?

家の中には倉庫のようなところもあり、もみつきの米が山盛りに積み上げてあったが、私の興味を引いたのはシャンプーやトイレットペーパーやお酒や煙草など……いろんな雑貨が埃にまみれて置かれていた部屋である。 「あれ?ここは?」 私が聞くと 「甥が商売を…

乾爸⑦ やっと到着

松桃まで行って 「孟渓ってどう行くの?」 と聞いてみると 「あー、とっくに過ぎちゃったよぉ」 と言うではないか。 な、なにっ?松桃より手前だったのか? どうやら、松桃へ着く手前にある「太平」というガソリンスタンドを左折するはずだったのに知らずに…

乾爸⑥ 孟渓なんて知らない

翌朝、車掌さんに起こされると4時半。4時45分には到着するので、急いで荷物をまとめる。乾爸は「タオル、これ使っていいか?」と私のタオルを持って洗面所に行き「はい」と返してくれたらタオルびっちょびちょ。うーーん、どうやったらタオルをこんなに…

乾爸⑤ 懐華への列車

買物を終えて駅に戻ると、ふと「求人広告」の立て看板が目についた。運転手やら事務員やら、いろんな商売が書かれていたけれど、だいたい一ヶ月四百~六百元くらいの賃金が多かった。四百元、約七千円だ。 列車は239次17:42発の張家界行き、懐華までは十一…

乾爸④ 湖南も麻辣粉

招待所の受付のお姉さんは、乾爸の様子を目にしたからか「2時に部屋を空けてくれればいいから」と優しいことを言ってくれた。4階までエレベーターがあればいいものを、エレベーターはあるにはあるが動いていない。片手でてすりを握らせ、もう一方の手で杖…

乾爸③ 湖南省・長沙へ

結局、2個の手荷物を持ち、乾爸の手を引いて飛行機に乗り込んだ。機内では杖をついてそろりそろりと歩く乾爸を見かねてか、キャビンクルーが「香港で車椅子を手配してあげようか?」と声をかけてくれる。なんとか歩けることは歩けるのだが、なんといっても…

乾爸② 嫌な感じ

1995年、乾爸と同じように大陸帰りを決めた台湾の老人が、香港で置き去りにされるという事件があった。この老人は身体が不自由だったので、大陸から奥さんが香港まで迎えに来ていた。奥さんというのは当時大陸に残して来た女性のことだろう。車椅子で台…

乾爸① プロローグ

「ちょっとそこまでお使いへ行ってきて来てくれる?」こんな風に頼まれた経験、誰にでも1度や2度はあるのではないだろうか。母親に醤油の買物を言いつけられた青年は、小銭を手にぶらりと家を出て行くのだろう。それきり60年以上も家に帰れないだけでな…

外省人

台湾にはざっくり分けると、1945年8月15日以後に中国大陸からやって来て、台湾に定住した「外省人(ワイセンレン)」とその前から台湾に住んでいた「本省人(ペンセンレン)」、そして外省人よりさらに前に中国広東省から移り住んだ「客家人(カーチ…

ごはん食べた?

「だんだん春めいて来たねぇ」とか「今日はまたいやに雨が降りますなぁ」日本人なら気候や天気ではじまる世間話だけれど、台湾では替わりに『吃飯了没?(ちーふぁんらめい?)』 ごはん食べた? である。 昔、食べ物があまり豊富でなかった頃の名残ともいえ…

⑬Hさんの『サイドビジネス』

DBC・台湾人 会社に入った時に『アルバイト禁止』と言われたような気がするのだけれど、テレビのコマーシャルには、この間一緒にフライトした男性のEYパーサーが、クレジットカード片手ににっこり微笑んでいた。 この間、街でスカウトされてモデル事務…

⑩Eさんの『民族の違い』

DFP・台湾人 台湾とフィリピンのお客さんは、機内手荷物が馬鹿デカクって頭痛の種。中国大陸から乗り継ぎをすると、預けた荷物がなくなってしまうのはよくあることなので、台湾人が本能的に『手荷物=安心』だと考えるのは、同じ台湾人として分からないで…