Sui Dhaaga: Made In India
ヒンディー映画「Sui Dhaaga: Made In India」(2018)
配役:
仕立屋Mauji役:Varun Dhawan
Maujiの妻Mamta役:Anushka Sharma
Maujiの父親役:Raghubir Yadav as
Maujiの母親役:Yamini Dass
Mauji'の弟Jugnu役: Sawan Tank
Jugnuの妻Kumud役:Manukriti Pahwa
Guddu役:Namit Das
Harleen Bedi役:Puja Sarup
Yogesh役:Mahesh Sharma
Palte Ram役:Shrikant Verma
Bansal役:Sidharth Bhardwaj
Prashant役:Ashish Verma
Naushad役:Bhupesh Singh
ネタバレしない程度のあらすじ:
北インドの町に暮らすMauji(ヴァルン・ダワン)は仕立屋としてのビジネスに失敗した祖父から受け継いだ才能がありながらも、その腕は家族の破れた服を近所の人から借りたミシンで直す程度にしか生かすことが出来ず、町のミシン屋で雑用係としてこき使われている。公務員を退職したMaujiの父の家に同居する妻のMamta(アヌシュカー・シャルマー)は限られたスペースのうえに、家事に翻弄されておりMaujiと二人の時間を持つ余裕などなかった。
ある日、ミシン屋の主の弟の結婚式に家族とともに出席したMaujiが、結婚式会場で犬の真似をさせられるという屈辱的な扱いをされるところを目撃し、心を痛めたMamtaは
「給料が少なくてもいいから別の仕事を」
とMaujiに頼む。
これがきっかけになって路傍で仕立屋をはじめたMaujiは、心臓手術のために母親が入院した病院にてMamtaの機転により15枚の入院患者用着衣の注文を得るも、借りていたミシンを隣人が貸してくれなくなってピンチに!
どうしてもミシンを手に入れる必要に迫られた二人は、起業に必要な資財を無料または格安で提供してくれる政府の起業支援プログラムがあると聞き、国境近くまで自転車で向かってようやくミシンを手に入れる。
てた先がちょっとわかりにくいかもしれません。これはほかに起業の資金を低利で融資する政策もあります。ただし、作品で描かれた審査(実技試験)会場のカオスぶりは非常にリアルです。
ところが病院から「病院内での商売禁止」を言い渡され、あげく法外な医療費を請求されたMaujiはMamtaとともに仕方なく被服工場に就職、なぜかミシンも取り上げられてしまう。それでも企業の夢を捨てられないMaujiは親の反対も押し切って工場を辞め、Mamtaをデザイナーとしてコンテストに参加することに。
さて、結果はいかに?
小僧的視点:
「そうかー、監督じゃなくてプロデューサーだものね」
毎度同じことを思うのである。
なんのことかといえば、Maneesh Sharma。
彼が監督した作品は今までに4つ。「Band Baaja Baaraat」「 Ladies vs Ricky Bahl 」「Shuddh desi Romance」「Fan」とあるが、このうちFan以外はお気に入りの映画なのである。なので、今回も「Maneesh Sharmaか! ドキドキわくわく」で臨んでしまったがために、大変ほんわかした良い作品なのにもかかわらず
「うん、そうなんだけどね。何か違う」
になってしまった。「Band Baaja Baaraat」「 Ladies vs Ricky Bahl 」「Shuddh desi Romance」のようなスピード感がないのだと思うが、監督が 「Dum Laga Ke Haisha」のSharat Katariyaなのだから、そこをグチグチ言ってもはじまらない。(←でも、言ってる)
題名の「Sui Dhaaga」Suiは針、Dhaagaは糸の意味。仕立屋の話だからというだけでなく、見合い結婚でうまく距離を縮められなかった二人が針と糸で絆を紡ぎ、本当の意味での夫婦になっていく物語の題名としては秀逸。
好きだったシーンは二つ。
路傍の仕立屋開業初日、お弁当を届けに来たMamtaがMaujiと一緒にご飯を食べて
「結婚してはじめてあなたと一緒に食事をした」
といって泣き出すシーン。隠れ(←別に隠れる必要はないのだが)Anushuka好きとしては涙と一緒に泣き笑い顔でロティを飲み込む演技に引き込まれる。普段「あまり好きくない」と公言してはばからないMauji役のVarunではあるが、この時の表情はなかなか良かったと言わざるを得ない。
「October」からこちら、少しオッサン臭くなったVarun Dhawanは私に「好きくない」と言わしめる軽薄で無責任な役どころから離れられたということなのかもしれない。
もうひとつは二人がコンテスト予選会場から帰る際に、”はじめて”手を繋ぐ場面。
クスリと笑ったシーンは コンテスト予選の場面で審査員がブランド名を
「Made In Indiaか? それとも「Mad In Indiaか?」と訊ね
「インド製という意味のMad In Indiaです」
Mamtaが答えたシーン。
「Super Hero」が「スッパル・ヒーロー」と発音されるがごとく、書いてある字そのままに発音してしまうインド人にかかると、「Made In India」は「マッド・イン・インディア(インドの狂気)」になってしまうのである。こういうくすぐりが、Sharat Katariyaの色なんだろうなと思う。
ロケ地:
マディヤ・プラデーシュ州、ウッタル・プラデーシュ州、デリーなど。
Rajghat Dam (Near Chanderi, Madhya Pradesh)
MaujiとMamtaが街に向かうシーン。
Halalpur Bus Stand (Bhopal, Madhya Pradesh)
家族と仲間たちとコンテストへ出発するシーン
Upper Ganda Canal Road (Chaziabad District, Uttar Pradesh)
二人がビジネス・パートナーとなった日のシーン。
Salim Garh Fort (Delhi)
ぎゅうぎゅうのバスで二人が揺られるシーン。
Connaught Place (Delhi)
「お店を借りるのにお金がかかる」というMaujiにMamtaが言うシーン。
「ここってお店出すのにお金いるの?」
そしてMaujiはここで路傍の仕立屋を開店。
Shankar Market (Delhi)
布地選びをするシーン