インド映画ロケ地巡り Jab We Met
ヒンディー映画「Jab we met」(2007)
配役:
Geet Dhillon Kashyap役:Kareena Kapoor
Aditya Kashyap役:Shahid Kapoor
ネタバレしない程度のあらすじ:
富豪の息子Aditya(シャイード・カプール)は失恋したショックから会社もべてを投げ捨て、ムンバイを放浪したあげく、どこへ行くかも知らぬままパンジャブ行きの列車に飛び乗った。走っている列車から飛び降りて自殺しようとしたその時、明るくてお節介ななパンジャビブ娘のGeet(カリーナ・カプール)と出会い、人はバスやタクシーを乗り継いでGeetの実家Bhatinda(バティンダ)へ。
Bhatindaから2人はGeetのボーイフレンドのいるマナリへ、マナリでGeetと別れたAdityaはムンバイへ戻って仕事に復帰するが、Adityaの心には常にGeetがいた。
その後、Geetはボーイフレンドに振られてしまい、9ヶ月も行方がわからなくなっていると家族から聞き、AdityaはGeetを捜しにマナリへ向かう。
マナリで傷心のGeetを捜しだし、よりを戻したいという元ボーイフレンドとともにバティンダへ戻ってみると、家族の早とちりによりAdityaとGeetの結婚式の準備が進められていた。
よりを戻したい元ボーイフレンドとGeet、Geetが心に住むAdityaがごちゃごちゃ、ごちゃごちゃ……。
小僧的視点:
今や、やれUberだOlaだと便利な配車システムがあって、スマホでちょいちょいっとやるだけですぐお迎えが来てくれるので、人は彷徨うということをしなくなったと思う。
古い旅行記を読み返してみてわかったのだが、私の旅のほとんどは町の人にウソかホントかよくわからない情報をもらっては、あっち迷いこっち迷いしているのがほとんど。迷わず一直線に、効率良く移動できる快適さは確かにありがたいが、迷って彷徨って出会える人や物は実はとても多い。
ムンバイからBhatinda、そしてBhatindaからマナリへ。ロードムービーのような映像の中に、この彷徨うことの楽しさが散りばめられている。
この映画で私が好きなのは
「まぁ、通らないこともないけどものすごい遠回りじゃないの?」
と思わないでもないラジャスタンの小さな町マンダワを彷徨って、自転車泥棒? をするシーンだ。(←え? そこ?)
あとは、メガネかけてソフトな感じのAdityaなのに、いざダンスとなるとキレッキレになるところも楽しい。
インド・ラジャスタン州のシェカワティ地方にあるマンダワという町は、知るひとぞ知るボリウッドご用達のロケ地である。
マンダワの風景がぎゅっとまとまっている動画をみつけたので、興味があればご覧あれ。
しかしてこの映像、2011年に公開されたものなのだけれど、今もこのまんま。大して変わっていないところが凄い。
15世紀にジャイプール王であったラオ・シェカの領地があったところがシェカワティ地方であり、シェカワティという名前は「シェカの庭」という意味。
美しい壁画と街並みに惹かれ、インド映画の監督達もこの「シェカの庭」で数々の撮影をここで行っている。
インド映画歴の浅い私でも観ている映画がリストの中に沢山あった。凄いシェカワティ率である。
映画の中の「Hum Jo Chalne Lage」というロードムービー的な歌のシーンの一部がマンダワで撮影されている。
Hum Jo Chalne Lage (Aao Meelon Chalen) - Jab We Met - Shaan
この映画の監督Imtiaz Ali(イムティアズ・アリー)はどうやらマンダワがお気に入りらしく、リストにある「Love Aaj Kal」という作品でもマンダワが舞台としてかなりの尺が使われている。
Sonthalia Gate (Mandawa)
大して大きな町ではないし、新市街・旧市街と分けるほどのこともないのだけれど、一応この門から向こうが旧市街であり、この道がメインストリートである。
ローカルガイド氏によると、ラディカハベリからSNEH RAM LADIA HAVELIへ抜ける道のこのあたりに、当時「なんちゃってインド門」が作られ、デリーに行かずにここで撮影を済ませたのだそうだ。
今はもちろん、そんなはりぼてインド門は取り壊されてもうないが、なかなか監督も強引なことをすると苦笑してしまった。