ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Ladakh③ちょっと遠い感じ

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はぁ? なんで? 朝7時、レーの空港に降り立った私はそのままくるりときびすを返し、乗ってきた飛行機で気温44℃のデリーに戻りたくなった。
レーの気温はマイナス1℃。降りただけで戦意全喪失である。
寒くないはずの時期を選んで来たはずだったのに……。

空港を出たところでガイドさんとドライバーさん落ち合ったのだが、ガイドさんがなんだかそっけないのには面食らった。
名前を言い合って挨拶もし、荷物をトランクに積み込むのもちゃんと手伝ってくれたけれど、英語のガイドさんなのに握手もなければ表情はとてもシリアス。
「昨晩、ガールフレンドと喧嘩でもしました?」
思わず勘ぐりたくなってしまう。

ホテルに着くまでもドライバーさんとは楽しげに話しているものの
「ここまで順調に来ました?」
「いつ日本に帰るんですか?」
とか訊くでもなし、まったく踏み込んで来ない。
ホテルについたらついたで予定の説明などはきちんとしてくれるのだが、私がチェックインをしていると車のところで二人してブラブラしているし、並んで立つ時の立ち位置も片手を伸ばしたよりもっと遠い位置だったり、朝食を出してくれるというので席についたらガラスキなのに隣の隣のテーブルに座ってみたりと……
「なんだか遠いな」
だった。

 

これで思い出したのが、その昔、お世話になったブータン人のガイドさんだ。
フレンドリーでよく説明もしてくれる、マジメな気遣いの達人で
「そういう大人しい人なのかな」
と思っていたら、別室で他のガイドさんやドライバーさんと食事をしているところに用があって呼びにいったら、とんでもなくハメをはずして、大口あけてゲラゲラ笑っているのを目撃。
もしかして、これがチベット仏教的お行儀のよさなのだろうか? 

フレンドリーで話好きな人が多いインドのガイドさん達に私が慣れすぎただけ? それとも山男特有?
などと、はじめて遭遇したラダック人を前にやたらに考えてしまったのである。