ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Veer-Zaara

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ヒンディー映画「Veer-Zaara」(2004)

配役:

Veer Pratap Singh役:Shah Rukh Khan 
Zaara Hayat Khan役:Preity Zinta 
Saamiya Siddiqui役:Rani Mukerji 
Zaaraの母親Mariyam Hayat Khan役:Kirron Kher 
Zaaraの父親Jehangir Hayat Khan役:Boman Irani 
Shabbo役:Divya Dutta ←Blackmail2018でDollyデリー6でゴミ掃除の低カースト
弁護士Zakir Ahmed役:Anupam Kher 
家庭教師Bebe役:Zohra Sehgal
Zaaraの婚約者Raza Sharazi 役:Manoj Bajpayee 
Veerの叔父Choudhary Sumer Singh役:Amitabh Bachchan
Veerの叔父叔母Saraswati Kaur役:Hema Malini 


名曲だと思う。
め やはーん ふん やはーん ふん やはーん(僕はここにいるよ)
ついつい歌ってしまう。

 

すっかり人任せなあらすじと解説:

これでインディアの「Veer-Zaara

 

小僧的視点:

Yash Raj Chopra監督の遺作となった「Jab Tak Hai Jaan(2012)」のひとつ前の作品。

いやぁーもう、泣いた泣いた。
「んなやつインドにいないよ! そもそも約束守るっていう習慣ある?」
とか思いつつ、相当泣かされた。ものすごくいい映画だった(満足)

にしてもZaaraが老けすぎで、思わずコーヒー吹いた

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最初の出会いがいくつの時だったのかはわからないけれど、婚約者がいて未婚なのだから20代後半かいっていても30代ちょいではなかろうか。
22年経ったところで40代、もしくは50を少し超えたくらいのはずなのに、これでは「おばあさん」にしか見えないし、子供たちをおっかけ回す村のシーンでちょっとだけ腰が曲がっている演出もなされていた。やりすぎである。

逆に、22年間もパキスタンの牢獄に居たはずのVeerが

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老けてなさすぎではなかろうか。SRKは若返りは得意なのだが、老けさせようと思うとあまりうまくいかない俳優かもしれない。

 


Tere Liye - Full Song | Veer-Zaara | Shah Rukh Khan | Preity Zinta

 

役者さんで印象的だったのはShabbo役のDivya Dutta(ディヴィヤ・ドュッタ)。
Saamiyaの横にいる緑のヴェールをかぶっているのがDivya Dutta。


Dialogue | Yeh Kis Sadi Ke Log Hai | Veer-Zaara | Shah Rukh Khan | Preity Zinta | Rani Mukerji

Blackmail」では妖艶なDollyを演じていたが、「Delhi-6」では物凄い存在感を出していたあのアウトカーストのJelabiだ。


まったく記憶にないのだがShakthi: The PowerにもShekharの妹役で出ていたようだ。幅の広い役をこなせる脇として注目だ。

 

映画の中にLohri(なぜか字幕やYoutubeのタイトルがLodiなのだが)と呼ばれるお祭りが出て来る。
このシーンがとても好きだ。
Lohriは主にパンジャーブ州冬至の1日前(1月13日)に行われる。農業が盛んな地域におけるお祭りでもあり、撒いた種が冬を乗り越えてしっかりと芽を出して成長するようにと行う。日没後、大きな焚き火を作って小麦や落花生、砂糖やバターなど、豊作を祈る捧げ物を火に投げ入れ、火が絶えるまで歌って踊る……というもの。
祭につきものの愛の告白大会が未婚、既婚にかかわらずサトウキビを使って映画の中では行われるのだが、これはどうやらこの村というかVeerの叔父が作ったきまりごとという説明があったので、本当の祭ではどうかわからない。
でも、あったとしたらとても素敵だ。

というわけで物語の始まりは冬のはずなのだが、Veerも夜に半そでだったり、花が咲き乱れていたり、新緑が生い茂っていたりして、あまり冬っぽく見えない。
ま、映画だからね(←大人な対応)

 


English, Spanish and Hindi Subs "Lodi" Veer-Zaara Official Video

 

Veerの牢獄での呼び名「囚人番号786」に関して、Saamiyaが看守に「神の番号」といったことを話している。
これは「b-ismi-llahi r-ahmani r-ahimi(ビスミ・ッラーヒ・ッラフマーニ・ッラヒーム)」という、イスラム教の聖典コーラン」の各章の頭についている言葉に端を発している。

「b-ismi-llahi r-ahmani r-ahimi(ビスミ・ッラーヒ・ッラフマーニ・ッラヒーム)」は、カトリックでいうところの「天にまします我らが父よ」というのと同じ感じで、意味は「慈悲深く、慈愛あまねアッラーの御名において」である。
アッラーを唯一絶対神とするモスリムの人たちは、このお祈りの一節を、食事の前、立ち上がる時、お金を数え始める前、運転する前、重要な会議の前など、なにかをはじめる時に唱える。
とても身近でありながら神聖な文言だ。

その文言がなぜ786なのかといえば、アラビア文字は文字を数字に置き換えることができるからだ。このお祈りの一節に預言者「ムハンマド」を付け加え、その文字を数字に置き換えて合計すると「786」という数字が出て来る。
この数字がデザインされたペンダントトップがあったり、男の子の礼拝用の帽子に編み込まれていたり、オートリキシャの前面に書かれていることもあるので
「ははーん、このリキシャワラ(リキシャの運転手)はモスリムなのか」
とすぐわかるのである。
バスに乗るとダッシュボードにガネーシャの置物や、仏像が置かれていることがあるが、偶像崇拝が認められていないモスリムバージョンということになろうか。

 

 観終わってなぜか心に引っかかっているのは、Veerの育ての父である叔父のChoudhary Sumer Singh(アミターブ・バッチャン)がVeerをけしかける時の台詞
「When the right woman comes into a man's life, that's when his life becomes complete」
あなたの人生はすでに完全なものになっているだろうか? 

 


 

歌の撮影がスイスで行われている以外は、主にパンジャブ、あとはハリヤナ、デリーなど。

 

ロケ地
Gurdwara Patalpuri Sahib (Kiratpur, Punjab)

ZaaraがBebeの最期の望みを叶えるために向かったシーク教寺院、Bebeの出身がKiratpurという設定だった。

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 地図を見るにすぐ裏にサトレジ川が流れているのでここに遺灰を蒔いたのだろう。

 

ロケ地
Purana Qila  (Delhi)

VeerがZaaraに最後に会い、どんなにお互いが好きでも結婚はできないのでお別れをするラホールでのシーンは、実はデリー。

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veer zaara sad scene |shahrukh khan|preity zinta|


ここで二人が
「結婚して子供を10人くらい産んだ後、僕の村を必ず訪ねて来て。そうしたら君を自転車に乗せて村を見せてまわるから」
「子供を10人も生んだら、自転車に乗るのは無理かも……わかるわよね?」
「あ、そうか……じゃぁ、トラクターを手配するよ!」
泣きながらかわす約束。
ピンと来てしまう(←なにが!)のだが、台詞がコミカルなだけに余計哀しみが増すといういつもの手口だ。 


案の定エンドクレジットに自転車シーン。

 

ロケ地
Khalsa College (Amritsar, Punjab)

 裁判所の外観として使われたのは大学、法廷はセットかな?

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ロケ地
 Attari International Railway Station (Amritsar Punjab India)

Veerがパキスタンの・ラホール行きの列車に乗るZaaraを送ってきたのがこの駅。
婚約者がいたことを知り「がーん!」になる場面でもある。



 

ロケ地
 Pataudi Palace (Pataudi, Haryana)

Zaaraのパキスタンの家

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ロケ地
Wagah Border (Amritsar Punjab India)

VeerとZaaraはこの国境を越えて家へ帰っていく。

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Saamiyaの計らいで、シンドール(既婚女性がつける赤い粉)をつける儀式がパキスタンとインドの間にある緩衝地帯で行われた。

 

ロケ地
IFFIGFALL –  (BERNESE OBERLAND, Switzerland)



 

 

この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/0571/?lang=hindi