インド映画ロケ地巡り Half Girl friend
ヒンディー映画「Half Girl Friend」(2017)
配役:
Madhav Jha役:Arjun Kapoor
Riya Somani役:Shraddha Kapoor
親友Shailesh役:Vikrant Massey
Shaileshの妻Rutvi役:Anisa Butt
NYの美女Anshika役:Rhea Chakraborty
Madhavの母役:Seema Biswas
ネタバレしない程度のあらすじ:
英語がうまく話せないビハール出身のMadhav (アルジュン・カプール)はデリー出身で英語を堪能に操る大学の同級生Riya(シャラダ・カプール)に恋をする。ニューヨークのバーで歌を歌いたいというRiyaを応援するMadhavはRiyaと付き合いたいのだが、Riyaはそれを望んでおらず友達としての関係を保ちたい。RiyaはMadhavの「半分カノジョ」として譲歩するも二人の間に齟齬があり、Riyaは大学を中退し子供の頃からの許嫁と結婚する。
数年後、ビハールに戻って母の運営している学校を手伝っていたMadhavは、仕事でパトナに来ていたRiyaと偶然にも再会。Riyaは夫と義母のDVが原因で離婚しており、二人はよりを戻しビハールの実家へも招待する。ところが、Madhavの母は離婚している女性に否定的でRiyaに
「息子をダメにしないでくれ、Madhavと会わないでくれ」
と言う。Riyaは白血病で余命いくばくもないという手紙を残し、Madhavのもとから消えてしまうが、忘れられないMadhavはRiyaを探しにニューヨークへ。
小僧的視点:
人気作家Chetan Bhagat(チェータン・バガト)の同タイトルが原作、Chetan Bhagatは「Kai Po Che (2013)」、「2 States (2014)」などの原作者でもある。監督はShraddha KapoorがヒロインのAashiqui 2 (2013) や Ek Villain (2014)を撮ったMohit Suri(モーヒト・スーリー)で、ストーリー的にもせつない、哀しい要素がとても強く、笑いとダンスとハッピーエンド趣向のインド映画好きには相容れないかもしれない。
なのになぜ観たのかといえば、もともとMadhav役はSushant Singh Rajput(スシャーント・シン・ラージプート)で、かなり直前に変更になって「えーーっ」だったからである。
英語下手くそキャラはShuddh Desi Romanceでもその片鱗のある役をこなしていたし、なによりSushantはパトナ(つまりビハール)出身でぴったりだったのに(←未練がましい)
全編でずっと流れるので観終わるころには中毒になっているアリジット・シンの歌だが、このクリップさえ観ればとりあえず今回紹介するほとんどのロケ地が網羅できるので未見の方は是非どうぞ。
ロケ地としてはデリー、ムンバイ、パトナ、Dumraon(ビハール)、バラナシ、ニューヨーク、ケープタウンなどとWikiにあったのだが、MadhavがRiyaを実家に連れて行くシーンがラジャスタン州で撮影されていることが観ているうちにわかった。
デリーでは英語も話せずぱっとしないMadhavだけれど、ビハールではいわゆる王様(マハラジャ)で、パトナからのバスを降りたあたりから村人に相当敬われるというシーン。自転車で村を走るというなかなか絵的に素敵な場面である。
右側の木の右側を自転車で走っているのが二人なのだが、画面右端の女性の恰好はモロにラジャスタンだ。女性の着こなしで
「あー、これはビハールじゃないな」
とわかってしまうので、あえて男性ばかりをエキストラにしたのだと思うのだけれど、右端の二人で台無しになっている。
Mandawa (Rajasthan)
撮影場所はまさにここで、「PK (2014)」も同じ場所で撮影されている。
左側の木が映っていて、木の向こう側にあった扉がこれで骨董屋さんを兼ねたハベリ(邸宅)だ。映画の中、画面の左側に板切れのようなウエハースっぽいものがたくさん映っているのが
こういった板切れで、骨董屋さんの在庫品だ。ハベリの中にもこういった板切れがところせましとおいてある場所があり、中に入って上からそれを見ることもできる。
Varanasi (UP)
パトナで家を探すという設定なのに、なぜかその家はバラナシのガンジス川べりにあるのだ。パトナからバラナシまでは車で7時間くらいなので
「通勤、どんだけ大変なんだよ!」
とかいう、ツッコミはしない約束である。
India Gate (Delhi)
デリーにあるこのインド門に夜登って、夜景を見る。もしくはここで落ち合って許嫁と実は結婚するんだという話をするシーンがある。
「なんだと?! 門の下は立ち入り禁止で門をくぐることもできない、あのインド門に登れるのか!」
ひとり意味もなく興奮して調べてみたが、「Kill Dill」のクトゥブミナールと同じく、映画ならではのことで実際にはやっぱり登れやしなかった。
お登り狂としては大変サビシイけれど、ああいうこっそり階段とこっそりマンホールみたいな蓋があって……とか嘘は承知でも、想像してみるのは結構楽しい。