I Am Kalam
ヒンディー映画「I Am Kalam」(2011)
配役:
Chhotu/Kalam役:Harsh Mayar
Prince Ranvijay役:Hussan Saad
食堂の主人Bhati 役:Gulshan Grover
Lucy役:Beatrice Ordeix (フランス人女優)
Laptan役:Pitobash Tripathy
Chhotuの母役:Meena Mir
ネタバレしない程度のあらすじ:
貧しい村に住む母親(ミーナ・ミール)が幼い娘を抱き、小学生の兄Chhotu(ハーシュ・マヤール)を連れて町に行き、食堂の主人Bhati(グルシャン・グローバー) にChhotuを店で働かせてくれるように頼み込む。仕方なしなし承諾したBhatiだが、もともとが本好きで賢いChhotuはお客から英語やフランス語を学びBhatiからも町一番の評判のチャイの作り方などもすぐに会得。近くのホテルでチャイの出張販売をするなど商才にも長けており、もとから働かせていた先輩Laptanに比べて各段の活躍。お客からもBhatiからも信頼を得る。
ホテルでの出張販売のおり、家では一緒に遊ぶ友達がおらず孤独に過ごしていたホテルのオーナーの息子Prince(ハッサン・サード)と知り合う。ヒンディー語を教えて英語を習ったり、本を貸してもらったり……親に隠れてこっそりと友情をはぐくむようになる。
Bhatiが恋心をいだくLucy(ベアトリクス・オーデ)が賢いChhotuを見初め、デリーで学校に行かせてやるといったもののChhotuに別れも告げずにデリーへ行ってしまう。
そんなある日、Princeの召使いのでたらめな告げ口によってChhotuに泥棒の容疑が!
「僕は泥棒なんかじゃない!」
Chhotuの言い分を誰も信じず、傷ついたChhotuは知り合いのトラックの運転手に乗せてもらってひとりデリーへと向かった。Princeが二人の友情をつまびらかにすることによりChhotuの嫌疑は晴れ、Princeと両親、Chhotuの母親、Bhati全員でChhotuを探しにデリーへ……。
小僧的視点:
舞台はほぼインド・ラジャスタン州のビカネールで、デリーもちょっとだけ。
タイトルの「I Am Kalam」のKalamは Avul Pakir Jainulabdeen(A.P.J.)Abdul Kalamというインドの大統領をテレビで見て、Chhotuが自らKalamと名乗るようになったことによる。
ちなみにインドの政治的実権は首相に握られていて、大統領は形式的・象徴的な存在。歴代首相が北インドの有力なヒンドゥー教徒にほぼ独占されてきたのに対し、大統領職は民族的少数派である南インド・ドラヴィダ系、もしくはムスリム、シーク教など宗教的少数派に割り当てられることが多い。Abdul Kalamもご多分にもれずムスリムだ。
あまり期待せずになんとなく観てみたということもあるかもしれないが、人物像が細かく描写されていて想像以上に良い映画だった。BhatiとLucyとのやり取りやラジャスタン人のリアクションは私にとってはやけに親しみのもてるものだったし、LucyがLaptanを適当にあしらうあたりもなんだか笑えた。
なんといってもChhotuの笑いっぷりが織田裕二っぽいのが、個人的に大変気に入った。(←超個人的な趣味だな、どうみても)
ネタバレになるから全部は書かないけれど、インドにおける教育。ハッピーエンドなのだけれど、そういう部分的なことじゃぁ片付かないよなぁ……と思ってしまったりもする。
インド門 (デリー)
Chhotuを探しにデリーへ行き、大道芸人をしてお金をかせいでいるChhotuと再会をはたす場所がここ。
Hotel Bhairon Vilas, Bikaner (Rajasthan)
らくだに乗ってチャイ売りの商売をするシーンはここ。
Bikaner Desert Camp (Bikaner Rajasthan)
Devi Kund Sagar (Bikaner Rajasthan)
Princeと友情をはぐくむ湖がここ。
Deshnok Rat Temple Tour (Bikaner Rajasthan)
Lucyをサプライズとして連れて行くお寺がここ。
この映画が観られるサイト:
https://einthusan.tv/movie/watch/0684/?lang=hindi