Veer
ヒンディー映画「Veer」(2010)
配役:
Veerの父親Prithvi Singh役:Mithun Chakraborty
Madhavghar王、Yashodharaの父親Gyanendra Singh役:Jackie Shroff
Veer Pratap Singh役:Salman Khan
Veerの弟Punya Pratap Singh役:Sohail Khan
Yashodhara王女役:Zareen Khan
Yashodharaの兄Gajendra Singh役:Puru Raajkumar
Lady Angela Fraser(James Fraser知事の妻)役:Lisa Lazarus
ラジャスタン知事James Fraser役:Tim James Lawrence
すっかり人任せなあらすじ:
ピンダーリという武装集団に属する架空の英雄Veerの物語。
小僧的視点:
興行的に大コケだったのには、19世紀当時には着ていないはずの衣装、話していないはずの言葉など時代考証がずさんだった以外にも、予告編の作りがよくなかったこともあると思う。
「部族間の復讐よりも祖国のことの方が大事じゃないのか? という地球人的俯瞰的発想が素敵だなぁ」
観終わった後に予告編を検索したのだが、これを観たら
「別に観たくないな」
思ったに違いないシロモノだった。
全然観たくならない予告編。
色恋もあるし、踊るし、最後に救いもあるし(ただ、孫がやけにオッサンくさいのは否めない)、楽しめる映画なのにもったいないと思う。
踊りがイマイチなのであまりSalman Khanを評価していなかったのだけれど、なぜかこの映画ではじめて「あれ? もしかしてカッコイイ?」と勘違いできた次第である。
Pindariとはムガール帝国崩壊後の18世紀にパターン族やジャート族などによって形成された武装騎馬集団 で、当時デカン高原から北インドまでを支配下に置いていたマラーター同盟と組んでみたり離れてみたりしながら、インド亜大陸を植民地化しようとする英国と戦った。Pindariのリーダー達は主にモスリムだがさまざまな階級から集められたため、宗教はさまざま。特に給料というのはなく、敵からの強奪によって日々の生計を立てていたようだ。
ピンダーリが主に活躍をしたのはマルワール地方(現在のマディヤ・プラデーシュ州南西部)で、英国と手を結んだラージプート族がMadhavgharの王Gyanendra Singh(ジャッキー・シュロフ)という設定だった。
マルワール地方ってなんぞ? という場合は以下をどうぞ。
ロケ地
撮影はマハーラーシュトラ州、ラジャスタン州、マディヤ・プラデーシュ州と英国にて。
Munbai (Maharashtra)
大学の場面は当初PuneにあるEngineering and the Agricultural Collegeで撮影される予定だったのが豚インフルエンザのためにムンバイに変更された。
Madhavgarh (Madhya Pradesh)
冒頭の駅はここ
Amber Fort (Jaipur, Rajasthan)
婿選びの儀式「スワヤンヴァル」が行われたのも、VeerとGyanendra Singhの戦闘シーンもここ。
撮影時に屋根を壊したり、作ってはいけないところに壁築いたりと相当やらかし、ラジャスタンの最高裁から撮影停止を求められた。(罰金払ってから撮影再開)
Chandra Mahal Palace (City palace complex Jaipur, Rajasthan)
Gyanendra Singhに招待されてVeerとPunyaが赴いた宮殿で、PunyaがAngelaの気をひこうとしたシーン。
シティパレスの中にあるこの宮殿は「Moon Palace(月の宮殿)」 として知られている。
Bikaner ( Bikaner, Rajasthan)
砂漠のシーン
Somerset House (London, England)
The Historic Dockyard Chatham
Wansford Station
Drapers' Hall
Rochester Castle and Cathedral
これらの歌の中に出て来る全部ひっくるめてしまったのは、イギリスがいつも雨でいつも寒いからあまり好きじゃないとか、イギリス人の二枚舌外交と卑怯っぷりが相容れないとか、そういうことでは決してない。