ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Chalo Dilli

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ヒンディー映画「Chalo Dilli」(2011)

配役:

Mihika Banerjee役:Lara Dutta 
Manu Gupta役:Vinay Pathak 
Lt. Col. Vikram Rathore役:Akshay Kumar 
Inspector Surendra Mishra役:Pankaj Jha
列車の車掌K. C. Pant役:Brijendra Kala 
"Laila O Laila"という曲の中のLaila役:Yana Gupta(特別出演)
タクシードライバーBablu役:Narottam Bain
トラック運転手Dharampalji 役:Dadhi R Pandey

 

 

ネタバレしない程度のあらすじ:

ムンバイ在住の投資銀行で活躍するキャリアウーマンMihika Banerjee (ララ・ダッタ)は路上でスーツケースの中身をまき散らす男性や交通規制による交通渋滞によって、デリー行きの飛行機に乗り遅れてしまった。どうしても夫Vikram Rana (アクシャイ・クマール)と落ち合わなければいけないので、普段はファーストクラスにしか乗らないMihikaだったがしぶしぶ格安航空機に乗り換えたところ、あのスーツケースの中身をまき散らしていたManu Gupta (ヴィネイ・パタック)も同乗。
ところが、デリー空港が閉鎖されていたため、飛行機が到着したのはジャイプールだった。深夜だったが4000ルピーのプリペイドタクシーでデリーへ向かおうとすると、34時間もぶっ通しで仕事をしていたので眠くて仕方のないドライバーに当たってしまい、居眠り運転で蛇行しまくり。
路肩にタクシーを止めて言争っているところへ「かぉーん すぃ ばりー ばーと ほーがいー (大したことないよ)」が口癖のManuが乗り込んできて、
「何度もジャイプールからデリーへは車で運転したことがあるので、目をつぶっていても行ける」
と眠りこけるドライバーを後部座席に追いやって、自分が運転しはじめる。
しばらくすると車がアジメール方向(デリーとは逆)に向かっていることに気付き、ドライバーをたたき起こして「ここはどこだ?」と訊くも、起こされたばかりのドライバーはわかるはずもない。おまけに車がエンコ。
二人はトラックをヒッチハイクして近くの安食堂兼安宿まで行き、翌朝はらくだタクシー、トラクターを乗り継いでNuaまで行き、そこから電車でジュヌジュヌ経由でデリーを目指す道中、ハイソな暮らしをしているMihikaが今まで経験をしたことのないトラブルが待ち構える。
確かにトラブルだらけであるのだが、この旅を通してふれあう人々そしてManuを通して、Give and Takeの発想で生きてきたMihikaの何かが少しだけ変わっていく。
料理に髪の毛が入っていても、レストランでメニューの上をゴキブリが歩いていても、荷物をなくしてしまっても、お金をすられても「たいしたことないよ」というManuに
「あなたにとって、いったい何が大したことなの!」
とキレていたMihikaであったが、旅が終わってみてManuにとって「大したこと」がなんなのかがわかるのだった。 

小僧的視点:

久々に旅人向けのいい映画に出会えた。

 

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 ムンバイからジャイプールまでは格安航空機とはいえ飛行機なので、デリーまで行けずに降ろされただけ。それこそ「大したこと」ではない。
ジャイプールからデリーまで、トイレ休憩2回の6時間もあれば着く距離(←なんだこの職業病的な距離感は)を逆方向のアジメールへ行ってみたり、Nuaやシェカワティ地方のJhunjhunuでギャングの抗争に巻き込まれて戒厳令が引かれたりする。
逆方向に行くなんてよくあることだし、飛行機のダイバートも何度も経験している。イスラエルではパレスチナ人による暴動、チベットではパンチェンラマ騒ぎにも巻き込まれ、昨年もモスリムとヒンドゥーの対立で戒厳令が敷かれたジャイプールに居た……つまり、旅をしていると普通に(なのか?)出くわす小さな事件から大きな事件まで、あとになって思うと強烈な旅の思い出にはなっているものの「大したこと」では本当にないのだ。むしろ、それをどう乗り越えるか、どう楽しむか……旅人の腕のみせどころでもある。

暴動や戒厳令の真っただ中にいても、あまり恐怖を感じたことがないというのが実際に経験した私の感想だ。映画だから特になのかもしれないが、抗争に巻き込まれているのに警察署からギャングが車に乗せてくれたりと……作り手の暖かさもあって、怖くはない。「ガタガタ道で頭ぶつけて痛かった」的印象の方が強く残る。

好きだった場面はトラックの運転手に、乗せてくれたお礼を払おうとすると
「妻がもうすぐ子供を産むんだ。無事に生まれるように祈ってくれればそれでいい」
と言われ、Mihikaが目を白黒させるところ。Nuaなどの田舎に行けばいくほど、旅人に優しい人たちは都市部よりも増えて来る。旅が思い通りに進まなければ進まないほど、こういった人たちとの出会いが増え、村の人々の親切や温情が染み入るのだ。
インドを、いや世界を自分の足で歩いた人なら、誰でも1度や2度はこんな経験をしたことがあるはずだ。そういった旅の醍醐味が再現され、Give and TakeだったMihikaがだんだんと「Given and Given」の発想に変わっていき、最後は誕生日パーティーにManuを招待しようという夫Vikramのアイディアに同意するなど「旅が教えてくれること」の偉大さも伝わってくる。

もし、あなたが旅好きならばラジャスタンの風景を楽しむだけのためでもいい、いちどは観ておいて損はない。

 

タイトルは反英スローガンから? 疑惑

映画のタイトル「Chalo Dilli」はもしかしたら、「Dilli Chalo」を文字っているのかもしれない。「Dilli Chalo」は「Jai Hind(インド万歳)」「Glory to India!(インドに栄光あれ)」などと並び、かつてインド国民軍(INA)を創立し日本軍と協力してインドを独立に導いたSubash Chandra Bose(スバーシュ・チャンドラ・ボース)の掲げた反英スローガンのうちのひとつ。
「Jai Hind」にいたっては今や軍人や警察官の間で普通に交わされる挨拶になっており、身近なところではエアー・インディアの機内放送でも使われている。

「Dilli Chalo」のもともとの意味は「デリーへ行こう」であるが、軍事的なスローガンなので「(英領インドの首都)デリーへ攻め込め!」という勢いのあるニュアンスなのだ。「何がなんでもデリーへ行かねば!」という雰囲気にピッタリだ。

 

 

ロケ地

撮影はマハーラーシュトラ州、ラジャスタン州、デリーなど。

 

ロケ地
Mumbai (Maharashtra, India)

ムンバイの渋滞でManuと出会うシーン

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飛行機に乗りそびれるところからManuとの再会シーン。

 

格安航空券の機内シーン

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ロケ地
On the way from Jaipur to Ajmer (Rajasthan)

眠くてしかたがないタクシードライバーともめていると、そこへManuが乗り込んでくる。

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アジメール方向へ行ってタクシーがエンコ、乗せてもらったトラックのシーン。最後の最後に私のお気に入りのシーン。


 

ロケ地
Nua (Rajasthan)

らくだタクシー、乗り合いトラクターでNuaの駅へ 。ラジャスタンらしい風景が楽しめる。

Nuaの駅舎の中はこんな感じ

 

ロケ地
Jhunjhunu (Rajasthan)

Nua駅から財布をスられてしまったために無賃乗車。それでも「大したことない」ので目の前のベンガル人とおしゃべりをしつつ、ラジャスタンの風景を楽しむシーン。 

 

キンマの汁でシミだらけの洗面台がある安宿のシーン。

 

 

ロケ地
Chandni Chowk (Old Delhi, Delhi,)

 Manuの家を訪ねて、「大したこと」を知るシーン。

 

この映画が観られるサイト:

Chalo Dilli (2011) Hindi in SD - Einthusan

 

The Shape of Water

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アメリカ映画「Shape of Water」(2017)

配役:

Elisa Esposito役:Sally Hawkins 
Richard Strickland役:Michael Shannon 
Giles役:Richard Jenkins
Z,elda Fuller役:Octavia Spencer
Robert Hoffstetler / スパイDimitri Mosenkov役: Michael Stuhlbarg 
"半魚人男性"役:Doug Jones 
Stricklandの妻Elaine Strickland役:Lauren Lee Smith
Zeldaの夫Brewster Fuller役:Martin Roach 
映画館のオーナーMr. Arzoumanian役:John Kapelos 
パイ屋の店員役:Morgan Kelly

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ネタバレしない程度のあらすじ:

1962年、アメリカとソ連の冷戦まっさかりの頃。首に傷を持つElisa Esposito(イライザ・エスポジト)は子供の時に川のそばに捨てられており、声が出ないので手話でコミュニケーションをする。映画館の上にあるアパートに一人暮らし、Baltimoreにある政府の秘密研究所で清掃の仕事をして生計を立てていた。一人で安アパートに暮らす中年女性。
友人は隣に住むイラストレーターでパイ屋の男に想いを寄せるGiles(ジャイルズ)という男性と、仕事仲間の黒人女性Zeldaだけ。

ある日、Elisaの勤務する研究所にプロジェクトリーダーのColonel Richard Stricklandによって、アマゾン川で捕獲されたという不思議な両生類が運び込まれてきた。この生き物に興味を示したElisaはその生き物が半魚人であることをつきとめ、ちょくちょく訪ねては好物のゆで卵を与えたり、レコードを聴かせたり、手話を教えたりして仲良くなってゆく。

しかし、研究が思うように進まず、Colonel Richard Stricklandが解剖実験を行うことを推し進めたため、これを知ったElisaはすぐにでも行動を移さないと半魚人が殺されてしまうと、Gilesと共謀して半魚人を助け出して家にかくまうことに。

 

小僧的視点:

最初「Shape of Water」ときいて、何のカタチなんだろうと思った。半魚人が水に浸かっているのでそのカタチなんだろうかとか。
見ているうちにわかってきたのは、実は「Shape of Love」で、それも水のように容器によってさまざまなカタチに変容可能なもののことだった。

半魚人に指を食いちぎられたRichard Stricklandはきちんとした仕事についてタイトルもある。ブロンドの美しい妻と子ども二人が新居で帰りを待ち、気に入った色の新車のキャデラックに乗ってなに不自由のないアメリカの理想的な家族であるのに対し、他の登場人物たちは真逆の位置にある。

半魚人に愛される声を持たない独身中年のElisa、仕事に復帰したいのに叶わないゲイのGiles、肌の色や職業とともに女性であることで正当に扱ってもらえないZelda、アマゾンから無理やり連れてこられて乱暴される半魚人。

世間一般から見るとマイナスとなりうる障害や差別や葛藤といったことが、相手が変わればそれこそが通じ合うための、補い合うための接点になる。
半魚人にとってはElisaが「口がきけない」ということは何の障壁にもなりえず、私たちがする身振り手振りのかわりにすっと手話をコミュニケーションツールにするのもそうだ。
この映画は変幻自在の水のようにイロイロな人生、イロイロな愛のカタチがあっていい。こうじゃなきゃいけないのだということはない……ということを教えてくれているような気がした。

好きだったのはアパートの部屋を水浸しというか水槽にしてしまうダークで幻想的なシーンと、家出をした? 半魚人が映画館のスクリーンの前に突っ立ってる場面。 

前に観たSFモノでガラス張りの棺桶みたいのに入ると、傷がなおってもと通りになるっていう設定があったのだけれど、この映画でも半魚人が触って念を込めると傷が治ったり毛が生えてきたりするという設定だった。
西洋医学、漢方、鍼灸、アーユルベーダと手を尽くしてもなかなか治らない病気の家族のために、今、カプセルか半魚人がとても欲しい……。
半魚人、どこにいったら会えるかなぁ?

 


 

ロケ地

撮影はカナダにて。

 

 

ロケ地
Toronto  (Ontario, Canada)

  

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ロケ地
Hamilton  (Ontario, Canada)

 

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この映画が観られるサイト:

https://amzn.to/2Kx6cvF

 

 

Kaabil

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ヒンディー映画「Kaabil」(2017)

配役:

Rohan Bhatnagar役:Hrithik Roshan 
”Su”ことSupriya Sharma役:Yami Gautam 
Madhavrao Shellar役:Ronit Roy ←兄
Amit Shellar役:Rohit Roy  ←弟
Inspector Amol Chaube役:Narendra Jha
Rohanの親友Zafar役:Suresh Menon 
Wasim役:Sahidur Rahman 
Wasimの父親役:Akhilendra Mishra
Sub-Inspector Pravin Nalavde役:Girish Kulkarni as 
Urvashi Rautela (歌の中の特別出演) 

 

ネタバレしない程度のあらすじ:

Rohan(リティク・ローシャン)は生まれた時から全盲ながら聴覚・嗅覚にすぐれ、器用にも声を替え1人で何役もこなすアニメのアフレコで生計を立てている。そんな彼が親友Zafar (スレッシュ・メノン)と普段からお世話になっている女性のアレンジで見合いをしたのは同じく全盲の”Su”ことSupriya(ヤーミー・ゴゥタム)だった。
会うなりSupriyaは「お世話になっているので断りきれずに見合いに来たけれど、結婚しなくても生きて行けるので、何か理由をつけてこの見合いを断って欲しい」と。
天涯孤独のSupriyaはNGO団体で働いて自立しており、週に2回ダンス教室でレッスンのためのピアノを弾いたりもしている。
「僕もお世話になっているから来たんだけど、今すぐ結婚したいわけじゃない。でも、せっかくだからお互いを知ってみてもいいんじゃない?」
実は一目ぼれ(目は見えないんだけどね)しているくせにRohanは答え、翌日はダンス教室に見学にいってSupriyaをダンスに誘い、とても目が見えないとは思えない踊りを披露。二人はデートを重ねて結婚するが、新婚生活に暗い影がしのびよる。
地域の大物政治家Madhavrao(ローニト・ローイ)の弟Amit (ロヒット・ローイ)は札付きの悪。手下のWasimを引きつれては飲み歩いていたが、Supriyaの美しさに目を付けて、Rohanが留守の時にWasimと共にSupriyaを襲う。
警察もみなMadhavraoのいいなりで弟の事件はもみ消され、つけあがったAmitは再度Supriyaを襲い……。

小僧的視点:

いつもはPCの小さな画面で映画を観ているのだけれど、この映画はジョドプールいち大きな映画館で封切りと同時に特等席で寝ころびながら、巨大スクリーンで観たのですごい迫力だった。
SRKの「Raees」が同日の公開だったので最後までどちらにするか迷ったあげく、これにした。

ところが、一緒に行った友達がとなりで
「次はね、こうなるよ」
とかなんとか、勝手に筋書きを予測するのだが、またそれが大当たりなのだ。封切りなので友人は何かをカンニングして言っているわけではないのだが、つまり、インド人にとっては「パターン通り」の展開ということなのだろう。
ひとつひとつ場面展開で驚いているぽっと出のインド映画好きの私は、まだまだ修行が足りないのである。

Sanjay Gupta(サンジェイ・グプタ)監督は外国映画を勝手にリメイクするので有名で、この映画もアメリカ版座頭市の「Blind Fury(1989)」と東野圭吾の小説を原作とする韓国映画「Broken<さまよう刃刃>(2014)」から発想を得たということになっている。
何を参考にしてなにから発想を得ても、インド人が創るかぎり結局出来上がりはパターン通りというのが笑える。

 

好きだったシーンは新居の建築現場で、お日様がここから出るんだと二人して窓からその景色を眺めるシーン。


昔、視覚障害のお客さんがツアーに参加していたことがあって、安全性もさることながら、どう「観光」という「観る」べきものを彼らに紹介すべきなのかとすごく悩んだことがある。
でも、結果からいうと心配は無用だった。光や香り、温度や音を頼りに健常者よりももっと旅を楽しみ、たくさんの思い出を作って帰っていってくれた。
そんなことを、このシーンを観ていたら思い出した。

街がきたないだの、ホスピタリティがどうこう、食事が日本と違う……さがして文句を言い続ける旅も、感じとれるすべてを好奇心とともに楽しんで帰っても同じ旅。
「足るを知る」のも大切なことなんじゃなかろうか。

 

バックダンサー

踊りの上手さでは定評のあるHrithik Roshanだけに、盲人の演技をしつつもダンスはキレッキレだ。

 

「Dhoom2」の時のタイトルソングも圧巻だった。
この踊りのバックダンサーの中に、緑と黒のシマシマの服を着て白いベルトをして、頑張ってはいるけどHrithik Roshanほどのキレはなく、足がちょいと短めな疑惑をもたげるダンサーがいる。誰だかわかるだろうか?

 

 そのダンサーはこの現場で声をかけられ、

この映画の主役に抜擢されたのである。

今回の映画のダンス教室のシーンにもたくさんのダンサーが登場するが、将来の映画スターがあそこから生まれないとも限らない?!
 

 

ロケ地

ほとんどの撮影はムンバイにて。当初撮影は88日間の予定だったのだが、11日も早く撮影開始から77日で終了。毎日きっかり9:30から撮影が行われたというから、朝が遅くて時間が守れないインドでは驚異的。なんでもSanjay Gupta監督が毎日カチカチっと時間通りに現場に現れて時間までにスタンバイしているので、役者もスタッフも時間を守るハメになり、スケジュール通り撮影がスムーズに運んだのらしい。
いいことだぁ~ (←仕事で行くインドでは、相当ひどい目に遭っているらしい)

 

ロケ地
Adlabs Imagica (Khopoli, Maharashtra)

「Kuch Din」の歌、デートシーンはここ。

 

ロケ地
Growel's 101 Mall (Mumbai, Maharashtra)

 二人がはぐれてしまうショッピングモールはここ。

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この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/c102/?lang=hindi

 

Aaja Nachle

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ヒンディー映画「Aaja Nachle」(2007)

配役:

Dia Srivastav役:Madhuri Dixit
MP Raja Uday Singh役:Akshaye Khanna
Anokhi役:Konkona Sen Sharma(舞台ではLaila役)
Lailaの兄弟Sanjay Mehra役:Jugal Hansraj
Imran Pathan役:Kunal Kapoor(舞台ではMajnu役)
Diaの親友Najma役:Divya Dutta(舞台ではLailaの母親役)
Steve役:Felix D'Alviella
Diaの娘'Radha役:Dalai
Doctor Saab役:Raghubir Yadav
Mr. Chojar役:Vinay Pathak
Chaudhary Om Singh役:Akhilendra Mishra
Dhan Kuber役:Nowaz
Makarand役:Darshan Jariwala 
Mrs. Chojar役:Sushmita Mukherjee
Najmaの夫役:Irrfan Khan
Mrs. Srivastav役:Uttara Baokar 
Inspector Sahib役: Yashpal Sharma(舞台ではLailaの父親役)
Mohan役:Ranvir Shorey 
P役:PAYEL 
Farooqueの召使役:Nawazuddin Siddiqui
Diaの父親役:Vinod Nagpal

 

 

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ネタバレしない程度のさっぱりとした/すっかり人任せなあらすじ:

駆け落ち先のアメリカから11年振りに、故郷の町ウッタル・プラデーシュ州のシャームリーに帰って来たダンサーのDia(マードゥーリ・ディクシット)が、廃墟と化した劇場を再建する話。

これでインディア 2007年11月

 

小僧的視点:

「悲しいことや、悩み事があったら踊る」ことにしているので、なにか踊りたくなるような映画が観たいなと思いManeesh Sharma監督のFilmographyを見た。Maneesh Sharmaの監督作品ではないけれど、助監督として参画しているのがこの映画だったのだ。
「Devdas(2002)」でタワイフ役を演じ、鎧を着ていても? 


とんでもなく踊りが上手かったMadhuri Dixitのボリウッド復帰作だ。 主人公Diaのインド里帰りはMadhuriともオーバーラップする。月日は流れてもキュートな笑顔と美貌はそのままだ。


当初の目的「踊る」に際して、この動画が役立った。

Madhuri自身が通しで踊ってくれているので、振り付けが覚えやすい。
悲しいことがあったり、悩みごとのある人は是非、覚えて一緒に踊ってみてほしい。
悲しいこともなく、とくに悩みごとのない人も良かったら……(←結局全員かよ!)
だって、この映画のタイトル「Aaja Nachle」は「おいで、踊ろう!」だもの。

 

劇場でかけられたミュージカルは、中東の古典的悲恋物語である「ライラ マジュヌーン」を題材としている。
ライラはアラビア語で”夜”を意味する女性の名前だけれど、マジュヌーンは”ジン”に取り憑かれた人の意味で、本名?はカイスという。
ジンというのはアラブ世界では精霊とか妖怪などのことで、「アラジンと魔法のランプ」に登場するランプの精などが典型的な例だ。

映画ではディテールがなぜか「Mirza Sahiban」っぽくなっていたけれど、ライラという美女に恋い焦がれたカイスが狂人(マジュヌーン)に成り果て、狂人のままその生涯を閉じるという壮絶な話。 

 

ライラとマジュヌーン

 

 やっと跡継ぎの男の子を授かったアラブのある地方の首長は、あらゆる徳が備わるように息子にカイスという名を付け、名門学校に入れる。カイスはクラスメートの美しいライラに恋をし、ライラもまたしかり。

 ここまでは通常の恋なのだけれど、カイスは次第に常軌を逸して、眠りにつかず獣のように野や町をさまよい、ライラの家の周りをうろつくようになった。今でいうストーカーだ。
カイスがマジュヌーンとなったその理由を知った父親はライラを嫁に迎えるべくライラの家へ赴くものの
「ストーカーに娘をやるわけにはいかない。まずは狂気封じの祈祷をせよ」
とライラの両親に一蹴されてしまう。あたりまえである。

 ライラを想うマジュヌーンは服や腰布も裂き、家族との絆も断ち切ってひとり野山をさすらい、ライラを求めて叫び声を上げる。見かねた親戚に薦められ父とマジュヌーンはメッカのカーバ神殿への巡礼に行くが、神殿の前で我が子の心の平穏を願う父に対し、マジュヌーンは神殿の扉を叩いてこう叫ぶ。
「たとえ私が死のうとも、この恋は残させたまえ」
完全にイッている……。

 巡礼後も荒野を彷徨い、ある時は踊り、詩を吟唱したりしていたマジュヌーンは、人目を避けて砂漠や野山に住むようになる。こんな息子に両親は心を痛め、はるばる荒野まで息子を訪ねては変わり果てた姿に号泣し、実らぬ恋を諦めるよう説得。ところがマジュヌーンは
「真実の恋を知った私には、全世界は価値もないひと粒の種ほどにも見えません。どうか私をこのまま捨ておいてください」
と言っていて、完全に世捨て人である。
その後父が亡くなり、後を追うようにして母も天に召される。

 ライラは両親に嫁がされた男性のもとで身も心も頑なに閉ざし、異様な結婚は夫の身をむしばんでついに病で帰らぬ人となる。
アラブの習慣にのっとって2年間、ライラは家にこもって誰にも会わずに喪に服してマジュヌーンを想い続けたが、これがもとでライラも病を患い亡くなってしまう。

 ライラの死を知ったマジュヌーンはライラの墓に駆けつけて号泣。マジュヌーンはそのまま墓に留まり、ライラの待つあの世へと旅立っていく。
マジュヌーンの亡骸には、一年以上誰も気づかなかったという。

 

 マジュヌーンもそうだが、悲しいことや悩みごとが発生する原因は、一万年前と何も変わらず「執着」に他ならない。
他の地球における生き物とは違って人間は、「死」への「恐れ」を強く持ち、「生」への「安心」に強い執着を持つから、「死」と「生」は自然なものであるということを受け容れられないのだろう。

執着とはなんだろう。執着とは他者を自分の存在の中心として使うこと。
マジュヌーンはライラに執着し、「ライラなしには生きられない」と言う。
存在の中心がライラに移動しているのだ。
「これなしでは生きられない」とは、自分の魂が自分の中にないということに他ならない。 つまり中心が自分から他のものへと「移動」することこそが執着。
生きることは手放すこと。「Life of Pi トラと漂流した227日 」で主人公が教えてくれたっけ。

では、なぜ人は執着するのか。それはたぶん「感傷」だ。
人は感傷的になって小さなことに泣いたり、悲しんだり、感動したりする。心には簡単に嵐が起こる。もっと俯瞰的に物を見てさっぱりと生きなくてはいけない。

この映画を観ながら。そして踊りながら考えたことは、少しだけ悩みや悲しみをほどいてくれたように思う。

  

ロケ地

映画の舞台となるShamli(シャームリー)は、ウッタル・プラデーシュ州ムザッファルナガル県にある実在の地名。いろいろ調べてはみたけれど、Shamliで撮影されたという記事が見当たらないどころか、ムンバイのFilmcityくらいしか撮影場所として記されたものがない。
Devdasもびっくりのほぼ全編セット? 
車のナンバープレートがマディヤ・プラデーシュ州のものだったので、マディヤ・プラデーシュのどこかの町で撮影は行われたはずなのだが、それが「どこか」というのはこの映画にとってあまり重要なことではない。

 

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ロケ地
Filmcity (Goregaon East, Mumbai, Maharashtra )

   

  

この映画が観られるサイト: 

https://einthusan.tv/movie/watch/0951/?lang=hindi

 

Duplicate

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ヒンディー映画「Duplicate」(1998)

配役:

Bablu Chaudhry / Manu Dada役:Shah Rukh Khan
Sonia Kapoor役:Juhi Chawla 
Lily役:Sonali Bendre
Babluの母親役:Farida Jalal
ホテルマネージャーRavi Lamba役:Mohnish Behl 
Inspector R.K Thakur役:Tiku Talsania
Dhingra役:Sharat Saxena  
Shalaku役:Gulshan Grover  
電車のホームでの女の子役:Kajol (特別出演)
Tony 役:Vishwajeet Pradhan (特別出演)


ネタバレしない程度のあらすじ:

ママ大好きで腰抜けのBablu Chaudhary(シャー・ルク・カーン)はリゾートホテルにシェフとして雇われ、マネージャーのSonia(ジューヒー・チャーウラー)と恋に落ちる。
ある日二人がデートをしていると、Babluに瓜二つのギャングManu Dada(シャー・ルク・カーン1人二役)に間違われて警察にしょっぴかれる。”Bebe”ことBabluの母親ファリーダー・ジャラル)が子供の頃の写真を持参して無事に釈放。
それもつかぬ間Babluの家にManuが押し入り、警察の発行したI.D.カードをManuが取り上げてBabluになりかわる。
仕方なくManuを演じることになったBabluがかえって手下どもの心を掴んでしまったり、Manuの情婦Lily(ソーナーリー・ベンドレー)に惚れ直されてしまったり……などややこしい展開に。 

小僧的視点:

ひと昔前のコメディ映画は安心して観ていられるので嬉しい。
悪役達もどこかお茶目で人間臭くて、殺し合いのシーンで惨殺されても
「いや、これ映画だから。実際は死んでないから」
という確固たる思いで流すことができる。ところが、最近のコメディー映画には凄惨な殺人シーンが織り込まれていたりして油断ならない。登場人物のBabluといい勝負くらいに腰抜けなので本や毛布で目を隠したり、隙間からのぞいたりと忙しくてめんどくさい。
緊張と緩和、恐怖が笑いをエスカレートさせるという構造はわかっているが、ちょっとヒヤっとするスリルくらいで十分であり、目を覆わんばかりのシーンはコメディ映画には要らないと思っている。

大コケしたスラップスティックだと思っていたらBabluの人柄と動き、そして小芝居と小ネタいくつかが可笑しくて意外に笑えた。

自分を裏切ったギャングを血祭りにあげる場面で、結構な大根足のおねーさんが登場。

 

「もうちょっとスタイルのいいダンサー使えばいいのに」
と思っていたら、女装したSRKだったのでコーヒー吹いた。 

上司Ravi Lamba(モーニシュ・ベーフル)が惚れていたSoniaから「バイヤー(お兄さん)」と呼ばれて泣きべそになるシーンもクスっときた。
インドで「お兄さん」と呼ばれるということはすなわち、「恋愛対象ではありません」という意味になる。同じように「妹」と呼ばれたら脈ナシ、「お母さん」といわれたら逆に神格化?されている可能性もある。

 

Kajol 特別出演

 巡礼に行くというBebeを見送る駅のホームに、ほんの一瞬だがKajolが通りかかる。

 「Dilwale Dulhania Le Jayenge (1995) 」のパロディーである。 

 話の筋からは「なにか唐突だな」と思ったら笑うところなので、見逃さないよう。

 

 

ロケ地

撮影はマハーラーシュトラとモーリシャス、そしてチェコ、スイスなどにて。

 

ロケ地
 National Museum (Prague, Czech Republic)

 「EK SHARARAT HONE KO」の曲はここ。

 

ロケ地
Wenceslas Fountain  (Prague, Czech Republic)

  「EK SHARARAT HONE KO」の曲はここ。

  

ロケ地
Mauritius (Mauritius)

 モーリシャスは主にホテルのシーンで、勝手に味付けしなおしたBebeをプールサイドに連れ出すところなど。
わざわざモーリシャスまで行かないでもと思わなくもないが。f:id:bokenkozo:20180625112243j:plain

  

ロケ地
Troja Palace (Prague)

 

  

 

この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/7gqh/?lang=hindi

 

Welcome To New York

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ヒンディー映画「Welcome To New York 」(2018)

配役:

Teji役:Diljit Dosanjh
Jeenal Patel役:Sonakshi Sinha
Riteish役:Riteish Deshmukh
Rana Daggubati役:Rana Daggubati
Sophia役:Lara Dutta
Karan/Arjun役:Karan Johar 
Kabir役:Emraan Hashmi
Mr. Garry役:Boman Irani
Aditya役:Aditya Roy Kapur 
Sushant役:Sushant Singh Rajput
Jeenal Patelの祖父役:Rajendra Shastri
イギリス人バーテンダー役:Sammy John Heaney


ちょろっと出演するみなさま
Disha Patani、Neha Dhupia、Preity Zinta、Taapsee Pannu、Shahid Kapoor、Suneil Shetty、Tiger Shroff、Salman Khan、Mohit Sinha、Katrina Kaif、Varun Dhawan
Alia Bhatt、Arjun Kapoor、Sonu Soodなど

  

ネタバレしない程度のあらすじ:

俳優志望のパンジャブ出身のTeji(ディルジート・ドーサンジ)と映画俳優の衣装を担当したいと夢見るグジャラート出身のJeenal Patel(ソーナクシー・シンハー)の二人は、ニューヨークで催されるIIFA(国際インド映画アカデミー)賞の授賞式に参加できるという新聞広告を見て応募。
見事二人が選ばれたのは、主催者Mr. Garry(ボーマン・イラーニー)を罠にはめてやろうと企む部下のSophia(ラーラー・ドゥッタ)の企みだった。そうとは知らない二人はニューヨークでカオスにはまる。

 

小僧的視点:

評論家たちから星5つのうち1だの0.5だのつけられ、
「この映画が存在すること自体が無駄」
とまで言われてしまっている映画。
なんでそんなものにかかずらわっているのかといえば、いつもの怖いものみたさでもない。
Sushant Singh Rajputの次の映画っていつ公開だっけなぁ? 調べていたら今年Sushantがこれに出演していることがわかり
「あれ? いつの間に? しまった、出遅れた!」
状態で観てみたのだが、インド映画で活躍している俳優達がわんさか出て来るし、ボリウッド映画のギャグやくすぐりもたくさんあって落語のような映画だった。
落語にゲージュツ性を求めても意味はないし、筋書きの稚拙さをどうのこうの言ってもはじまらない。落語の存在自体が無駄だといわれば、その通りである。
ボリウッド映画における一席の落語だな」
最初から割り切って付き合えば十分楽しめる。ただし、歌舞伎を知らなければ四段目はただ丁稚が階段から落ちる話であるように、ボリウッド映画をまったく知らなければただの駄作なので観る必要はない。

 


飛行機の中で映画でM.S. Dhoniというクリケット選手の役を演じていたSushant Singh RajputにでくわしたTejiは、Sushantを完全にM.S. Dhoni本人だと勘違いし、横でJeenalが「彼はSushant Singh Rajputなのよ」

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こっそり教えてくれているのに「わかってるわかってる」とまったく聞く耳をもたず。

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「ところで、奥様のSakshiさんはお元気ですか?」
独身のSushant Singh RajputにM.S. Dhoniの妻のことを訊ねてダメ押し。

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「もちろん元気ですよ」
この笑顔で答えたSushant Singh Rajputだったが、しまいにはM.S. Dhoniとしてサインをさせられるはめになっていた。
当初の目的である「Sushant Singh Rajputの出演作品」としても楽しめたので、大変満足。(←え? そうなの? 幸せのハードル低すぎないか?)

 

 

なんちゃってロケ地
The FuseIage of Air India (Sky)

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 ロケ地特定も、今回はギャグで応酬。ただ、面倒くさいだけでは決してない。

 

この映画が観られるサイト:


Welcome to New York 2018 full movie - Video Dailymotion

ヒンディー語のみ

 

 

Lagaan

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ヒンディー映画「Lagaan」(2001)

配役:

Bhuvan役:Aamir Khan
Gauri役: Gracy Singh
Elizabeth Russell役:Rachel Shelley 
指揮官Andrew Russell役:Paul Blackthorne 
Bhuvanの母親Yashodama役:Suhasini Mulay
Raja Puran Singh役:Kulbhushan Kharbanda
Mukhiya Ji役:Rajendra Gupta
Bhura役: Raghubir Yadav 
占い師Guran役:Rajesh Vivek 

 


ネタバレしない程度のあらすじ:

1893年、英国領チャンパネール(現在のインド・グジャラート州)では、農民達が干ばつに苦しんでいた。
Andrew Russell指揮官(ポール・ブラックソーン)は村人Bhuvan(アーミル・カーン)に狩りを邪魔され、屋敷を訪ねて来たインド人領主が肉を食べるのを拒んだことから、去年の延滞分と合わせて2年分の年貢を一度に払うようにと無理な要求をする。
とばっちりを受けた農民達は領主のところに押し掛けるが、Bhuvanがイギリス人将校達が興じていたクリケットを馬鹿にしたことから、
「3カ月後にクリケットの試合をし、Bhuvan達がクリケットでイギリス人チームに勝てば3年間年貢は免除、負ければ3倍支払う」
AndrewとBhuvanは賭け試合をすることになってしまう。

しかし、村人の誰ひとり一人クリケットなどやったことはない。尻込みする村人を巻き込んでチームを作り上げてゆくBhuvanにAndrewの妹Elizabeth (レイチェル・シェレイ)が強く惹かれ、Bhuvanの幼なじみでに恋心を抱くGauri(グレーシー・シン)がやきもちをやく。Gauriに思いを寄せているGuranはBhuvanへの嫉妬心から、Andrewを訪れてBhuvan達チームメイトを裏切って八百長試合をする約束をする。Guranの密告で妹のElizabethがBhuvan達に加担していることがわかったAndrewはElizabethを咎めて大喧嘩となる。

そして試合当日、Guranの裏切りに加えAndrew達のチームはデッドボールなどいろいろと汚い手を使ってきて、にわか造りのBhuvanのチームは苦戦。
果たして、年貢は3年間ナシなのか三倍になるのか?!

小僧的視点:

「Ram Ram」という挨拶をしていたせいなのか、勝手に舞台はラジャスタンだと勘違いしたのだけれど、架空の町だと思っていたチャーンパネールというところがグジャラートにちゃんとあった。ただ、撮影はチャーンパネールでは行われていない。

乾燥していて農業メインの電気と情報伝達手段と車がない場所をRajasthan、Nasik、UPなどに探した結果、グジャラート州Bhuj近郊のこの村を探し当てた。伝統的な集落は約4か月かけて地元の人が作り上げたもので、リアルだけれどセットだ。
干ばつという設定だったが、撮影時は本当にまったく雨が降らず設定がホントになってしまった。撮影終了数週間後に恵みの雨である大雨が来てホッとしたのもつかぬ間、次にはグジャラート地震がこの地方を襲った。イギリス人を含むスタッフが義援金を集めて寄付したという。

日本人にはあまり馴染みがないがクリケットイギリス、オーストラリア、インド、南アフリカ西インド諸島といった英連邦諸国を中心に人気のスポーツで、世界の競技人口はサッカーの次に多いと言われている特にインド、パキスタンスリランカバングラデシュなどの南アジア諸国では圧倒的な人気を誇り、トップ選手の年収は30億円を超え、「M.S. Dhoni: The Untold Story (2016) 」や「Sachin: A Billion Dreams (2017) 」といった現役選手の伝記モノ映画も創られてヒットしたりもしている。
M.S. Dhoni: The Untold Story (2016) 」などは主にその人物像に焦点があたっているので、試合シーンなどルールを知らなくても楽しめるが、4時間近い(224分)尺のうち1時間ちかくがクリケットシーン割かれているこの映画だと少しキツイかもしれない。

もし、これから観るのであれば基本的なルールをさっと読んでおくと良いと思う。
映画の中では6ボールで試合をしているが、本当は1983年当時英国は5ボールでのプレイだったはず。まぁ、ご愛敬ということで。

 

Paul Blackthorne

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Andrew役のPaul Blackthorneはイギリス人なのに、なぜヒンズー語がそこそこ達者なのか、非常に不思議であった。印僑かなにかなのかと思いきや、6か月ヒンズー語を勉強して役にのぞんだ結果なのだという。
島国とはいえ、さすがヨーロッパ人である。アメリカ人ではこうはいかない。
この映画で結構有名になって、アメリカの映画やテレビに出るようになっている。

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右肩上の写真は2016年のものだが、Aamir Khanより4歳若いようには見えない。
当時もPaul Blackthorneは普通にオジサンで、Aamir Khanは普通にバイヤー(おにーさん)だ。やはり、アジア人は若作りがきくということがよくわかった。

 

ロケ地

撮影は主にグジャラート州にて。  

 

ロケ地
 Jam Kunaria Village (Bhuji, Gujarat)

ほとんどの歌はこの村が舞台。
お気に入りはクリシュナ&ラーダ

やきもちを焼いたGauriが「もう二度と私に話しかけないで!」と立ち去ろうとする場面で、「へい、彼女!」と引き留めるところから始まるこの歌もとてもキュート。


雨を待ち望む雰囲気がよく伝わってくる雨乞いの歌。砂漠に暮らす民が「今日はいい天気だね」といったら、それは雨の日なのである。

 

ロケ地
 Vijay Vilas Palace (Mandvi, Gujarat)

Andrewの勤務する本部f:id:bokenkozo:20180622230336j:plain

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ロケ地
 Paragmal Palace (Bhuji, Gujarat)

Andrewがクリケットの賭け試合に関して警告を受けた、英国本部はここf:id:bokenkozo:20180622230359j:plain

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この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/0523/?lang=hindi

 ※最後の最後のところで、アミターブ・バッチャンのナレーションの字幕が出なくなる……