ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Kaabil

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ヒンディー映画「Kaabil」(2017)

配役:

Rohan Bhatnagar役:Hrithik Roshan 
”Su”ことSupriya Sharma役:Yami Gautam 
Madhavrao Shellar役:Ronit Roy ←兄
Amit Shellar役:Rohit Roy  ←弟
Inspector Amol Chaube役:Narendra Jha
Rohanの親友Zafar役:Suresh Menon 
Wasim役:Sahidur Rahman 
Wasimの父親役:Akhilendra Mishra
Sub-Inspector Pravin Nalavde役:Girish Kulkarni as 
Urvashi Rautela (歌の中の特別出演) 

 

ネタバレしない程度のあらすじ:

Rohan(リティク・ローシャン)は生まれた時から全盲ながら聴覚・嗅覚にすぐれ、器用にも声を替え1人で何役もこなすアニメのアフレコで生計を立てている。そんな彼が親友Zafar (スレッシュ・メノン)と普段からお世話になっている女性のアレンジで見合いをしたのは同じく全盲の”Su”ことSupriya(ヤーミー・ゴゥタム)だった。
会うなりSupriyaは「お世話になっているので断りきれずに見合いに来たけれど、結婚しなくても生きて行けるので、何か理由をつけてこの見合いを断って欲しい」と。
天涯孤独のSupriyaはNGO団体で働いて自立しており、週に2回ダンス教室でレッスンのためのピアノを弾いたりもしている。
「僕もお世話になっているから来たんだけど、今すぐ結婚したいわけじゃない。でも、せっかくだからお互いを知ってみてもいいんじゃない?」
実は一目ぼれ(目は見えないんだけどね)しているくせにRohanは答え、翌日はダンス教室に見学にいってSupriyaをダンスに誘い、とても目が見えないとは思えない踊りを披露。二人はデートを重ねて結婚するが、新婚生活に暗い影がしのびよる。
地域の大物政治家Madhavrao(ローニト・ローイ)の弟Amit (ロヒット・ローイ)は札付きの悪。手下のWasimを引きつれては飲み歩いていたが、Supriyaの美しさに目を付けて、Rohanが留守の時にWasimと共にSupriyaを襲う。
警察もみなMadhavraoのいいなりで弟の事件はもみ消され、つけあがったAmitは再度Supriyaを襲い……。

小僧的視点:

いつもはPCの小さな画面で映画を観ているのだけれど、この映画はジョドプールいち大きな映画館で封切りと同時に特等席で寝ころびながら、巨大スクリーンで観たのですごい迫力だった。
SRKの「Raees」が同日の公開だったので最後までどちらにするか迷ったあげく、これにした。

ところが、一緒に行った友達がとなりで
「次はね、こうなるよ」
とかなんとか、勝手に筋書きを予測するのだが、またそれが大当たりなのだ。封切りなので友人は何かをカンニングして言っているわけではないのだが、つまり、インド人にとっては「パターン通り」の展開ということなのだろう。
ひとつひとつ場面展開で驚いているぽっと出のインド映画好きの私は、まだまだ修行が足りないのである。

Sanjay Gupta(サンジェイ・グプタ)監督は外国映画を勝手にリメイクするので有名で、この映画もアメリカ版座頭市の「Blind Fury(1989)」と東野圭吾の小説を原作とする韓国映画「Broken<さまよう刃刃>(2014)」から発想を得たということになっている。
何を参考にしてなにから発想を得ても、インド人が創るかぎり結局出来上がりはパターン通りというのが笑える。

 

好きだったシーンは新居の建築現場で、お日様がここから出るんだと二人して窓からその景色を眺めるシーン。


昔、視覚障害のお客さんがツアーに参加していたことがあって、安全性もさることながら、どう「観光」という「観る」べきものを彼らに紹介すべきなのかとすごく悩んだことがある。
でも、結果からいうと心配は無用だった。光や香り、温度や音を頼りに健常者よりももっと旅を楽しみ、たくさんの思い出を作って帰っていってくれた。
そんなことを、このシーンを観ていたら思い出した。

街がきたないだの、ホスピタリティがどうこう、食事が日本と違う……さがして文句を言い続ける旅も、感じとれるすべてを好奇心とともに楽しんで帰っても同じ旅。
「足るを知る」のも大切なことなんじゃなかろうか。

 

バックダンサー

踊りの上手さでは定評のあるHrithik Roshanだけに、盲人の演技をしつつもダンスはキレッキレだ。

 

「Dhoom2」の時のタイトルソングも圧巻だった。
この踊りのバックダンサーの中に、緑と黒のシマシマの服を着て白いベルトをして、頑張ってはいるけどHrithik Roshanほどのキレはなく、足がちょいと短めな疑惑をもたげるダンサーがいる。誰だかわかるだろうか?

 

 そのダンサーはこの現場で声をかけられ、

この映画の主役に抜擢されたのである。

今回の映画のダンス教室のシーンにもたくさんのダンサーが登場するが、将来の映画スターがあそこから生まれないとも限らない?!
 

 

ロケ地

ほとんどの撮影はムンバイにて。当初撮影は88日間の予定だったのだが、11日も早く撮影開始から77日で終了。毎日きっかり9:30から撮影が行われたというから、朝が遅くて時間が守れないインドでは驚異的。なんでもSanjay Gupta監督が毎日カチカチっと時間通りに現場に現れて時間までにスタンバイしているので、役者もスタッフも時間を守るハメになり、スケジュール通り撮影がスムーズに運んだのらしい。
いいことだぁ~ (←仕事で行くインドでは、相当ひどい目に遭っているらしい)

 

ロケ地
Adlabs Imagica (Khopoli, Maharashtra)

「Kuch Din」の歌、デートシーンはここ。

 

ロケ地
Growel's 101 Mall (Mumbai, Maharashtra)

 二人がはぐれてしまうショッピングモールはここ。

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この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/c102/?lang=hindi