ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

政府公認大賭博場

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台湾の正月は太陰暦、旧暦で祝うので毎年違う日付。来年2018年のお正月は2月16日だ。

台湾では日本のLOTOのようなものが近年合法となったのみで、一切のギャンプルは「違法」。日本のように「合法」である競馬、競輪があるわけではなく、賭け麻雀も禁止とされている。
それでも賭け事好きの台湾人。香港競馬の馬の番号を使っているのが警察にバレ、香港競馬のテレビ中継が
台湾で打ち切られれば、「六合彩」と呼ばれる番号当てがファックスで横行し、これで倒産する人が相次いで社会問題に。大がかりが駄目なら小規模と……しまいには次に通る人が男か女か、車のナンバープレートの末尾さえ格好の賭けの対象にする始末なのである。

この賭け事がなんとお正月の三日間は解禁になる。香港とは違って爆竹の使用が許されているため、早朝から録音ではない生の爆竹が鳴り響く中、耳を澄ませば隣からもそのまた隣からも、ジャラジャラジャラジャラと麻雀パイをかきまぜる音が聞こえてくる。

台湾のお年玉『紅包(ホン・パオ)』は、少額を小さなポチ袋に入れ、結婚していない人になら誰にでも蒔きまくる香港スタイルとは少々勝手が違う。
小さな子供が大人から紅包を貰うのは日本と同じだけれど、大人も子供たちからガッツリ貰うのだ。子供達は兵役(台湾には男性のみ学業を終えると1~2年の兵役義務があった)を終えて仕事を持つようになると、両親に紅包をちょっと誇らしげな感じで渡す。
日本の「むしり取られるはかりの大人」は少し可哀想な気もするが、こうしてもらった大人の紅包はほぼ「三が日賭け事解禁」の資金に流用されることになる。

元旦は家族だけ……とはいっても、台湾では三世代で住むのが理想とされているので大家族で祝うが、2日目になると、「回娘家」といって、嫁いだ娘が夫や子供と共に実家に里帰りする。
ここから4人単位の麻雀組と端数のトランプ組に分かれ、トランプ組には子供も参加。貰ったばかりの紅包をそっくり大人に取り返される子供も出てくる仕組みだ。

そんなわけで台湾の旧正月は全島が賑やかな政府公認?大賭博場と化すのだけれど、たいていの賭博は家庭で繰り広げられるので資金は親戚や近所でぐるぐる回っているだけで……意外に健全だったりもする。