ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Rudaali

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ヒンディー映画「Rudaali」(1993)

配役:

Shanichari役:Dimple Kapadia ←Akshay Kumarの義母
Ram Avtar the zamindaar(荘園主)役:Amjad Khan ←SholayのGabbar Singh役
Ram Avtarの息子Lakshman Singh役:Raj Babbar
泣き女Bhikni役:Rakhee Gulzar
Shanichariの息子Budhua役:Raghuveer Yadav
Budhuaの妻'Mungri役:Sushmita Mukherjee
Mita Vashisht
Manohar Singh
Minaaz

 

ネタバレギリギリなあらすじ:

砂漠の村Barnaの荘園主(アムジャド・ハーン)は死期が近いため、近隣の町から泣き女Bhikni (ラキー・ガルザー) を呼び寄せる。荘園主の死を待つ間、Bhikniは村に住む未亡人Shanichari (ディンプル・カパディア)の家に仮住まいをする。Shanichariは生まれたと同時に父をなくし、旅芸人の一座とともにいなくなってしまった母のPeewliはにも捨てられたのだった。

酒飲みで放浪癖のあるGanjuと結婚し息子BudhuaをもうけるShanichariは、ある日砂漠で荘園主の息子Lakshman Singh (ラジ・ババー)に見初められ、妻の侍従として迎え入れられLakshman Singhから「話をする時はちゃんと顔を見るように」と教えられる。
「息子と旦那を放棄して私のところに来い」というLakshman Singhからの再三口説かれるも拒み続ける。そうこうするうちに夫のGanjuはペストで亡くなってしまい、息子のBudhuaは父親ゆずりの放浪癖ですぐどこかへ消えてしまうのだった。
ある日、Budhuaが妊娠した若い売春婦Mungri (スシュミタ・ムケルジー)を連れて家に戻って来る。Shanichariに反抗的なMungriは子供を堕ろしてしまい、孫を待ち望むShanichariの希望は打ち砕かれたうえにBudhuaは家からいなくなってしまう。

悲しいことが重なっても決して涙を流すことのないShanichariは、Shanichariの話を聞いてはすぐに涙を流すBhikniと徐々に仲良くなっていく。 
荘園主の長く待たされた死がやってきたその晩のこと、Bhikniは近隣の村へ仕事に行っていた。Lakshman Singhが父親の死後は村を離れる予定だと聞かされたShanichariがお別れに参じていた時、Bhikniが突然ペストで亡くなったというニュースが届けられ、とある秘密が明らかになる。
これを機に涙は堰をきり、ShanichariはRudaali(泣き女)へと変容をとげる。

 

小僧的視点:

映画の題名「 Rudaali(ルダリ)」は下層カーストに属する職業としての「泣き女」のこと。インド西北部ラジャスタンの一部の地域では高いカーストの人たちは自分の感情を表立って表すことを良しとしないため、家族の男性が亡くなった際にこのRudaaliを雇い入れ、悲しみを家族の替わりに表現させる。
泣き女は台湾の葬式で見たことがあるが、インドではカーストや社会的ステータスにまつわる文化的背景があったのかと勉強になった。
ただ、泣き女の習慣は100年ほど前にあったもので、今のラジャスタンにはすでにないとも言われている。(サティーもダウリーも法律上はないことになっているが、実際にはあるので……なんとも言えない)  

インドでは腕輪や首からさげるロケットや額につける赤い印などは結婚している女性の象徴。夫が亡くなると泣き女が来てすべてとりのぞくという習慣がある。特に額の赤い印は「夫との命綱」と考えられているため、毎日夫が妻に施すのが普通なのだが、こんなとれない額の印なら生き返りますよ……というCMがあった。

 

 なぜ、すでにないはずの泣き女がCMに? という気がしないでもない。

 

言霊が本当に?

映画の中で「もう死ぬ、もう死ぬ」言いながらなかなかくたばらない? 荘園主は、「Sholay」で伝説のGabbar Singhを演じていたAmjad Khan。これが実際に遺作となっていて、言霊? 呪い? などと考えたりも……。

 

恰幅のよくなったGabbar Singhが冒頭に現れる。

 

 

ロケ地

撮影はラジャスタン州にて。

 

ロケ地
Bada Bagh / Bara Baag  (Jethwai, Rajasthan)

 夫の火葬のシーン。その後腕輪などの装飾品を投げ捨てている。Lakshman Singhが装飾品をまとわないShanichariを見て夫の死を悟るシーン。

 

  

ロケ地
Barna Village (40km from Jaisalmer, Rajasthan)

 トウジンビエ(唐人稗)が主な作物だというこの村の村民820人全員が、一度はこの映画を観ているらしい。

 

 

ロケ地
Jailsalmer Fort (Jaisalmer, Rajasthan)

 キルトの店を出していたのがここ。

 

ロケ地
Khuri Desert (Jaisalmer, Rajasthan)

 砂漠でLakshman Singh に見初められるシーンはここ。

 

ロケ地
Kuldhara Ruins (Jaisalmer, Rajasthan)

 

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ロケ地
Moolsagar Palace (Jaisalmer, Rajasthan)

 荘園主の家はここ

youtu.be

 

ロケ地
Ram Mandir (Jaisalmer, Rajasthan)

 

 

 

この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/4QSz/?lang=hindi