ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Sholay

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ヒンディー映画「Sholay」(1975)

配役:

Veeru役:Dharmendra 
"Thakur"ことThakur Baldev Singh役:Sanjeev Kumar
Basanti役:Hema Malini←Dharmendraの二人目の妻(妻2人持ち)
Jai (Jaidev)役:Amitabh Bachchan
Thakurの死んだ息子の嫁Radha役:Jaya Bhaduri ← Amitabh Bachchanの妻
Gabbar Singh役:Amjad Khan
Thakurの使用人Ramlaal役Satyen Kappu
村のイスラムリーダーRahim Chacha役:A. K. Hangal
イスラムリーダーの息子Ahmed役:Sachin
木材商人Soorma Bhopali役:Jagdeep
Basantiの叔母Mausi役:Leela Mishra
チャップリン風な看守:Asrani
監獄の床屋で密告屋Hariram役:Keshto Mukherjee
Gabbar Singhの手下Sambha役:Mac Mohan
Radhaの父親Inspector Khurana役:Iftekhar
 "Mehbooba Mehbooba"曲中特別出演:Helen 
 "Mehbooba Mehbooba"曲中特別出演:Jalal Agha

 


ネタバレなどしない、ものすごくシンプルなあらすじ:

5万ルピーの懸賞金のかかっているGabbar Singh(アムザード・カーン)は盗賊のカシラで、Ramgarh村で村人を脅し傍若無人な振る舞いをしていた。村に住む元警察官のThakur(サンジーブ・クマール)は追加の2万ルピーを払うから生け捕りにせよと、務所帰りの仲良し二人組Veeru(ダーメンドラ)とJai(アミターブ・バッチャン)を雇い入れる。
Veeruは村の娘Basanti(ヘマ・マリニ)に、JaiはThakurの義理の娘・未亡人Radha(ジャヤ・バードリ)に恋をして……

小僧的視点:

インド映画好きのみなみなさまが、みな口を揃えて「これを観ておかないとインド映画の理解が深まらない」的なことを書いておられるので
「はぁ、そうですか」
という感じで観てみた。
お笑い、色恋、歌と踊り、アクション、復讐劇……なんでもある荒物屋みたいな映画だったが、 286週連続公開という常識破りの記録を誇る、インド映画史上最大のヒット作であった。

Amitabh Bachchanは1973年31歳の時に結婚しているので、映画公開時はすでにはJaya Bachchanだったはずなのに、クレジットはJaya Bhaduriになっている。それもそのはず、撮影は2年に渡って行われたので撮影開始は1973年10月2日だったのだ。
30歳にして12本の大コケ、ヒット作2本のみだったAmitabh Bachchanをスターダムに押し上げた「Sholay」は今もなおカルト的人気くすぶる伝説の映画となっているだけあって、私のごときロケ地巡りをする人(=ロケ地巡りスト)がたんまり。
いつも映画のあらすじと解説を勝手にまかせっきりにしている、かの日本に亡命した自称デリー皇帝でさえもロケ地巡りストと化していた。

カルナタカ州RamgarhやRamnagaraまでデリー皇帝はバスやらリキシャで赴いたようだが、インド人はバイクでツーリングがてら行く人が多いようだ。 
なにやら50ルピーの入場料を取るゲートのようなものがあり、タイミングがズレるとゲートが閉まっていて行かれないような仕組みになっている。


 


 ロケ地巡りストの中でも面白かったのはこの記事でのロケ地、今昔。

 

当時(村全体が全部セット)

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当時

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今(岩のカタチも風雨によって変わっている!)

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当時

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当時

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当時

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3世代にわたってインド人はこの映画を観ているといわれるだけあって、40数年の月日が感じられる。

そして2017年、とうとうこの村に750万ルピーを投じSholay-the-3D Virtual Reality Village(Sholayのテーマ村)を作ろうという提案が持ちあがった。
いやぁ、インド人ののんびりっぷりはスケールが違う。公開から42年後って。

 2018年6月現在まだできているようすはない。というのも、このあたりが禿ワシの保護区となっていて、そこに観光施設を作るわけにはいかないのだという。保護区にひっかからないように建物の建設を場所をズラして行えばいい。でも、それってロケ地そのものじゃなくない? だったら専門ガイドをつけて、ロケ地そのものに行きたい人は案内すればいいんじゃないのか? といった討論になっていてちっとも進んでいないようだ。出来上がるのにまた50年かかる、げにインドな展開かもしれない。

上記の記事に「Sholay」にエキストラ出演したという現在保護区の夜警をしているVeeraiahなる人が出て来る。

Veeraiah, the 70-year-old night watchman at the sanctuary,
(中略)

Veeraiah hopes that he will be hired as an official tour guide if the project materialises. “I hope they give me a costume too,” he said.

 テーマ村ができたらオフィシャルガイドとして雇ってもらいたいとかいっているのだが、この人70歳なのである。こういう生き証人が生きているうちにできるといいなとか。120歳のガイドさんねぇ……とか考えてみるわけである。

Sholayのそんなファンでもないからかもしれないが、テーマ村ができたら行きたいかと問われれば、あまり行きたくはないのだ。
確かにここがこのシーン、ここがこのシーンと解説されながら回れば見落とさないのだろうけれど、なにか違う。
やはり私にとってのロケ地巡りは
「ここなんじゃないの? あれ、ちょっと違うな。やっぱりここかも。えー? なくなってんの! なんで?」
といった、そこに至る紆余曲折と冒険が楽しいのであって、その現場そのものをただ確認することにはあまり魅力を感じていないのかもしれない。
ロケ地テーマ村化の記事にふれることにより、そんなものがあるとは夢にも思わなかったけれど「ロケ地巡りストの美学」みたいなものがあることに気付いたのである。

 

 

Gabbar Singh

f:id:bokenkozo:20180619125406j:plain「KITNE AADMI THAY?(男は何人だった?)」「Gabbar Is Back」という映画のポスター上部に書かれている文字は、「Sholay」でGabbar Singh登場の時の台詞で、日本における
「この印籠が目に入らぬか?」
くらい、映画好きなら誰でも知っている有名な台詞。
ところが、私のようなぽっと出のインド映画好きは
「なぜBackなのか?」
「これは、なにかの続編なのか?」
などと思ってしまうわけである。

インド映画好きであればGabbarという名前を聞いただけで、「もしかしたら?」と思い、Akshay Kumarの風貌を見て「きっとそうだ!」と考え、
「KITNE AADMI THAY?」を見て「ああ、奴が帰ってきたのだな」と確信するのであろう。


Gabbar Singhは架空の人物ではあるが、役柄が独り歩きしていてさも実在の人物のように思ってしまっている人もいる。日本でいえば金田一耕助のようなものかもしれない。

Gabbar Singhを演じたペシャワール(現パキスタン)生まれのアムジャド・ハーンは、52歳と若くしてすでに亡くなっている。

 


Gabbar Singhの最期

「Sholay」のエンディングは2種類ある。私が観たのはThakurがGabbar Singhを足技のみでやっつけるというものだった、これが検閲局から「暴力的過ぎる」と判断を下され、警察がGabbar Singhを逮捕するバージョンというのが撮り直されている。

 

 

ロケ地
 Ramgarh Village (Karnataka)

村のシーンは全部ここ


 

ロケ地
Ramnagara (Karnataka)

 Gabbar Singhのアジトはここへ行く道すがらにある。

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この映画が観られるサイト: 

https://einthusan.tv/movie/watch/0910/?lang=hindi