ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Goliyon Ki Raasleela Ram-Leela

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ヒンディー映画「Goliyon Ki Raasleela Ram-Leela」(2013)

配役:

Ram役:Ranveer Singh
Leela役:Deepika Padukone
Dhankor Baa役:Supriya Pathak Kapur 
Radhu Bhai役:Homi Wadia
Meghji Bhai役:Abhimanyu Singh
Rasila役:Richa Chadda 
Bhavani役:Gulshan Devaiah 
Vanda役:Jameel Khan
Kanji Bhai役:Sharad Kelkar
Kesar役:Barkha Sengupta 
Ujjwal役:Tarun Anand 
Pujalal役:Masood Akhtar 
Goli役:Master Mohammad Faizan 
ダンサー役:Priyanka Chopra (特別出演)


 

すっかりデリー皇帝任せなあらすじ:

 

小僧的視点:

シェークスピアの「ロミオとジュリエット」を叩き台にしているが、ディテールは相当違う。Sanjay Leela Bhansali(サンジェイ・リーラ・バーンサリ)監督なので見る前から「映像が美しい悲劇」なんだろうなと想像ができてしまうわけである。

Ranveer Singh(ランヴィール・シン)はデビュー作の「Band Baaja Baaraat(2010)」以来「Padmaavat(2018)」まで、詐欺師か、女たらしか、王様の役しか演じていない。この映画では女たらしのラジャーリー族のカシラだ。グジャラート訛りもピックアップしてのぞんだ

この映画を最大に台無しにしたのは携帯電話だった。
舞台となるのはグジャラート州Ranjaar。白昼堂々武器が売られていたりするので、「昔の話なのかな」と思っていると一晩に数十通ものメッセージがRamからLeelaの携帯電話に送られてくるというエピソードが出てきて混乱する。
Ranjaarを地図にプロットしようとすると見つからない……。ああ、架空の町のおとぎ話なのかと最初から頭に叩き込んで観ればよかったのだが、そこに翻弄されて最後まで楽しめずに終わってしまった。

私は自他ともに認める落語好き。扇子を箸に見立ててうどんをすする、てぬぐいを帳簿に見立て番頭さんがページをめくるといったイリュージョンは問題なく楽しめるけれど、番頭さんが丁稚どんに携帯で電話をかけてきたとしたらそれはもう台無し。ついていけないというか、その時点で私は取り残される。

期待通り映像は美しい。RamとLeelaの結婚式のシーンともなる「Ang Laga De」という曲はヒンズー教の儀式の時に使う煙が効果的に使われていて、幻想的な雰囲気に仕上がっている。窓の外には湖が見えていて 



ウダイプールでの撮影かと思いきや 

思い切りセットだった。

架空の町Ranjaarはカッチ地方っぽい服装なので、便宜上カッチ湿原あたりに地図ではプロットしてみる。 



「Ranjaar」と今書いてみて、そういえば「Raanjhanaa」という映画があったことを思い出してはっとした。

パンジャーブ地方に伝わる「Heer Raanjha」という悲恋物語がある。
兄と喧嘩をして家出をした青年Raanjhaが雇われ先の家の娘Heer と恋に落ちるが、二人の仲はHeer の叔父や両親に認めてもらえず、Heer は別の男と結婚させられ、追い出されたRaanjhaはYogi(遊行者)となって各地を放浪。偶然Heer と再会後は紆余曲折を経て結婚することになるが、結婚式当日にHeerは毒殺され、それを知ったRaanjhaもHeerが食べたのと同じLadduというお菓子を食べて後を追う……といったストーリーだ。
「Ranjaar」と「Raanjha」。
インド人ならこの町の名前をきいただけで、この映画が悲恋物語であり、少なくともロマンス映画であることが予想できるのだろうが、私はインド人ではないので今頃気付くのである。

個人的にはピーコックダンスっぽいコミカルなこの曲が、悲恋物語を盛り上げていて気に入っている。



それと、本編には出演のないPriyanka Chopra(プリヤンカ・チョプラ)がアイテムソングに登場している。Ranveerはこの映画と同時に「Gunday」という映画の撮影をしていたのだが、その映画の相手役がこのPriyanka Chopraだった。
振り付けを覚えるところから撮影終了まで4日、キレキレのせくしぃなダンスが見ものである。


 

撮影はムンバイのスタジオとラジャスタン州のウダイプールにて。ウダイプールでは主にRamとLeelaの逃避行の部分が撮られている。 

 

ロケ地
 旧市街の細い路地Narrow lanes of Old City  (Udaipur)

Leela(ディーピカー・パードゥコーン)が従兄弟のBhavani(グルシャン・デーヴァイヤー)に 連れ戻されるシーン

ramleela udaipur scene

  

ロケ地
 Gangaur Ghat (Udaipur)

 LeelaはBhavaniにこのあたりまで引っ張ってこられたf:id:bokenkozo:20180611001740p:plain

 

 

ロケ地
 Hanuman Ghat (Udaipur)

 引きずられているLeelaをRamが発見したのがHanuman Ghat。前の晩、ラジャーリー族の仲間たちと結婚祝いをしたレストランもこのあたり。f:id:bokenkozo:20180611002041p:plain

 

ロケ地
Lake Pichola (Udaipur)

RamがLeelaを救い出すべく、飛び込んだのがPichola湖ここ。
Ranveer Singhは寒空の中、45分もこの冷たい湖に浸かっていた。

 

ロケ地
Ambrai Ghat  (Udaipur)

RamとLeelaが宿をとったのもこのあたりだが、前述の通り宿はセットなので探しても見つからない。部屋に居ろといったのに出歩いたLeelaが色々蒸し返して喧嘩になったシーンもAmbrai Ghatの階段。

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この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/2277/?lang=hindi