ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

Eklavya: The Royal Guard

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ヒンディー映画「Eklavya: The Royal Guard」(2007)

配役:

 

Eklavya役:Amitabh Bachchan
Inspector Pannalal Chohar役:Sanjay Dutt
Rana Jyotiwardhan役:Jackie Shroff 
Prince Harshvardhan役:Saif Ali Khan ←実の息子
Rajjo役:Vidya Balan 
Rani Suhasinidevi役:Sharmila Tagore ←実の母 
Jayvardhan役:Boman Irani as Rana 
Prince Udaywardhan役:Jimmy Sheirgill 
Princess Nandini役:Raima Sen 
Rajjoの父 (Omkar)役:Parikshat Sahni 

すっかり人任せなあらすじと解説:

 これでインディア 「Eklavya」を参照

小僧的視点:

プロデューサーVidhu Vinod Chopra(ヴィドゥ・ヴィノード・チョプラー)は「3 Idiots」「PK」「Wazir」などを世に出し、ボリウッド映画界ではすでになかなかの存在感なのであるが、この映画ではプロデューサー兼監督でもある。

障害を持つ無邪気な姫Nandini役のRaima Sen(ライマ・セン)はこの年、「Manorama Six Feet Under」でSheetal役を好演。
「うわー、誰だ? このキレイなおねぇさんは!」
画面に釘付けになったRajjoは、演技に定評のあるVidya Balan。10年経つと骨太のBegum Jaanのような役が演じられるようになるのかと感動もする。

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 言わずと知れたAmitabh Bachchanアミターブ・バッチャン)の演技も重厚で役者陣ぞろいのこの映画は、一見の価値あり。

 

ロケ地
Devigarh Fort Palace (Delwara, Rajasthan)

f:id:bokenkozo:20180530213212j:plainSuhasinidevi王妃(シャルミラ・タゴール)の急死をうけて、ロンドンに住んでいる長男Harshvardhan(サイフ・アリ・カーン)がヘリコプターで到着したのが宮殿のふもと。

この映画を観て気になったのは、そこまで忠誠と正義でカタまっておきながら、最後はそんなズルすんのか? ということでもなく、ヘリでやってきたHarshvardhanが車に乗って城へ帰ったことである。
なぜヘリポートが城のてっぺんにない? こんなクソデッカイ城でそこに王様が住んでいるのなら、普通あるっていうか作るよね? 作らないまでもヘリなんだから屋上のところでぽいっと降りるよね? 
という、いつものように映画の内容とはほとんど関係のない、盛大にくだらないこと。 

Devigarh Fort Palaceは、ウダイプールの北東28kmのDelwara村にある。Delwaraはラナ・クンバの時代からメワール王国に仕えるJhalaというラジプートの地で 、400のジャイナ教寺院を含む1500以上の寺院があり”Devkul Patan Nagri(神の町)” として知られるところだ。
7代にわたりメワール王に仕えたDelwaraからは、王女がマハラナ・ウダイ・シンの第二夫人として迎えられてもいる。

1576年ウダイプルの北にあるハルディガティ峠で、メワール王国のマハラナ・プラタップ・シンとアンベール王国のマン・シンが率いるムガール王国・アクバル軍とが激突した「ハルディガティの戦い」というのがあった。
マハラナ・プラタップ・シンがアクバル軍陣営に突進し、アクバルの部下であったアンベール王国の王子が乗る戦車ならぬ”戦象”に勇猛にも槍を突き立てたと言われていて、その姿はラージプートの伝説となっている。結局は敗戦したが、
マハラナ・プラタップ・シンが戦場から離脱したため、ムガール帝国側からすると「取り逃がした」という感じであっただろう。

この戦の後、デルワラ公国はマハラナ・プラタップ・シンの中尉であったRaja Sajja SinghとAjja Singh兄弟に譲られた。Raghudev Singh IIによって最初に造られたのは簡素なもので、ラジャスタン建築の7階建ての宮殿になったのは1760年代。ウダイプールからの女王の訪問に際してのこと。

その後200年が経ち、20年ほど誰も住むこともなく廃墟になっていたのだが、シェカワティ地方出身の豪商PoddarsがGautam BhatiaとNavin Guptaという二人の建築家率いる750名のチームが1984年から15年かけて修復。
1999年に「Raas Devigarh 」という五つ星ホテルに姿を変えている。
そう! だからゲストのみなさまがプールサイドでくつろいでいるところへ、バリバリヘリで乗りつけることが出来なかったのである。 


Raas Devigarh

ホテルの開業が 1999年ということは撮影当時はすでに修復されて生まれ変わったホテルだったことになる。
そのわりには外観はピカピカな感じがなく、周囲の風景ともマッチしている。きっと内部も素敵なのだろうな……と思いきや

  

ロケ地
 City Palace (Jaipur)

 Devigarh Fort Palace内部、HarshvardhanとNandiniの部屋の撮影が行われたのはジャイプールのシティパレス内、観光客が立ち入ることのできない王族専用プライベートエリア。Gayatri Devi女王の許可をもらい、何年も使われずに鍵がかけられていた部屋を開けてもらったのだときく。 
ということは、Raas Devigarh内部は撮影に使えないほど現代的でピカピカということになろう。


いつもは絶対に見ることができないシティパレス内部を垣間見ることができ、
豪華な装飾には目を見張る。

 

 

 

 Devigarh Fort Palaceの近くにはEklingjiという「クシャトリアの父」・カルボージーによって建立されたお寺もある。寺の町として有名なNathdwaraへの通り道でもある。

この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/1013/?lang=hindi