ヒンディー映画「PARI: NOT A FAIRYTALE」(2018)

配役:

Rukhsana役:Anushka Sharma
Arnab役:Parambrata Chatterjee
Professor Quasim Aali役:Rajat Kapoor
Piyali役:Ritabhari Chakraborty

ネタバレしない程度のあらすじ:

バングラデシュの悪魔教カルト集団「Auladhchakra」にまつわる話。
看護婦のPiyali(リタバリ・チャクラボーティ)との見合いに両親と出かけた印刷工場を経営するArnab(パラムブラト・チャテルジー) 、帰り道に父親の運転する車が突然飛び出してきた女性をはねてしまうところから物語がはじまる。
Arnabと両親は警察に出頭し、自殺ということで事故はカタがついたのだが、死亡した女性が住んでいたジャングルの中にある小屋には、青白い顔をしたRukhsana(アヌシュカ・シャルマ)という娘が身体じゅうアザだらけで鎖につながれていた。Rukhsanaは線香やお経を極度に怖がり、アザーンが聞こえてくるとそれを遮断するためにバケツに汲んだ水の中に顔を突っ込むといった具合。実は、Rukhsanaの母親はAuladhchakra教団の性的儀式における被害者だった。
Quasim Ali 教授(ラジャット・カプール)は悪魔によって妊娠させられた女性達の子供を根絶やしにするといったいわば、ゴーストバスター集団のリーダーをしていた。 その手段が過激なため村人達から非難を浴びて集団は解散させられていたのだが、Rukhsanaの母親が運び込まれた身元不明者の死体安置所で働いている元・ゴーストバスター集団のメンバーから連絡を受け、Rukhsana捕獲にのりだす。
これに気づいたRukhsanaははだしで小屋を逃げ出し、Arnabに助けを求め、幼いころから虐待を受けてきたであろうRukhsanaに同情したArnabはひとり暮らしの家にRukhsanaを一時匿うことに。Rukhsanaの居所をつきとめたQuasim AliがArnabに悪魔教がどうやって血筋を繋げていくのか、悪魔によって宿された子供は通常10か月ではなく1か月でへその緒がなく生まれて来ることなどをきかされるも信じるわけもなく、追い返す。
そのうちPiyaliとの結婚を予定しているArnabの子供を、Rukhsanaが宿し……。

小僧的視点:

ホラーモノはあまり好きではないのだけれど、Anushka Sharma好きなのでおっかなびっくり観てみた。カラーコンタクトのせいもあるのだろうか、AnushkaがAnushkaっぽくなく、時としてとてつもなく幼く見えたのが印象的。
映画そのものに関しては、ものすごくざっくり言うとインド風「エクソシスト(1973)」なのだけれど、踊りはないけどちょっと色恋沙汰も絡んでくるし、最後生まれる子供にへその緒がついているあたりに救いがあって少しホッとする。
映画ではRukhsanaの愛がそうさせたという設定になっているのだけれど、それでも妊娠1か月で生まれてるよね? とか、Rukhsanaは人間のお母さんと悪魔のハーフで、今度生まれた子供はそれのさらに半分だからクォーター悪魔なの? それとも悪魔の子供と人間の間の子供だから同じことなんじゃないの? とか、いらんことをモンモンと考えてしまうのであった。

デビュー作のRab Ne Bana Di JodiからAnushka Sharmaを追っかけてきているのだが、Band Baaja BaaraatLadies vs Ricky BahlAe Dil Hai MushkilPKといった最近のインド映画によくある気の強い女性役で終わるかと思ったら、レスラーから妖精から果ては悪魔の子供まで……Anushkaの役どころの果てしない広がりっぷりとそれぞれのこなしっぷりには驚くものがある。
昨年末、以前から噂のあったクリケット選手とイタリアで結婚したと思ったら、自分のファッション・ブランドを立ち上げたり、今回のこの映画ではプロデューサーもこなしている。
今年はこれ以外にも弁護士役など3本の映画を撮影中らしい。Anushukaが出るなら百歩譲ってハッピーエンドじゃなくてもいいし、救いがあるなら千歩譲ってホラーでも観るけれど、どんなにいい映画でもNH10のような社会派じゃないといいなぁとか思うわけである。
ま、Sanjay Duttの伝記モノだの、相手役がVarun DhawanやらSRKならその心配はないと思うけど……。
Arnab役のParambrata Chatterjeeは主にベンガル映画で活躍している役者さんだが、ベンガル映画ではメガホンもとっている監督さんでもある。ベンガル人でベンガル語を話すため、近年ではバングラデシュ映画にもデビューをはたしている。

ちなみにこの映画、黒魔術のススメにつながる可能性があるとか、反イスラム的だとかでパキスタンでは上映が禁じられている。

 

ロケ地
Basanti State Highway (West Bengal)

 

この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/3nsv/?lang=hindi