ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

インド映画ロケ地巡り PK & 2 States

 

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ヒンディー映画「2 States」(2014)

配役:

Arjun Kapoor as Krish Malhotra
Alia Bhatt as Ananya Swaminathan

 

すっかり人任せなあらすじ:

www.bahadurshah.com

小僧的視点:

自ら旅程を管理してツアーを引っ張っている私だが、自身でツアーに参加したことは今まで一度もない。それはなぜか。ツアーからは旅の醍醐味がすべてそぎ落とされ、私の旅のスタイルとは相容れないからだ。

旅の醍醐味はハプニングと無駄だと私は思っている。
ツアーコンダクター仲間からは
「なんでいつもそんなにトラブルが起きるかな~、お祓いに行った方がいいよ」
笑われるほどにトラブルを呼び込む体質の私ではあるが、砂嵐でドーハ行きの飛行機がバーレーンダイバートするのも、機体故障で敦煌カンズメも本来は愛すべき、忘れ得ぬハプニングのはずなのである。
私がひとりでこれらハプニングに出くわせば、それをきっかけに経験と思い出が広がり、いっそバーレーンで降りてらくだ乗っちゃう? とか、敦煌で一日余計にウロウロしちゃったので友達できちゃいましたー! とか面白い展開になるに決まっているのである。
自分の旅ならもともとスケジュールなんてあってないようなものだし、「砂嵐でこことここには行けませんでしたー。あははは、また来いってことですな」
で終了である。

だが、仕事で行っている以上はそうも言っていられないので、あっちこっちに電話をしたり航空会社に談判に行ったり、
「なんでこうなるんだ、なんとかしろ!」
旅はスムーズでトラブルが無いのが当たり前だと思っているお客さんから怒鳴られたりと、ちっとも嬉しくない過程を経たあげく、お客さんもイライラしちゃって彼らもちっとも楽しくないのである。

写真を整理していても思うのだが、ツアー中に撮った写真には自分なりの物語というものが存在しない。「ここと、ここと、ここに行きます」とすぐそばの駐車場までバスで連れて行かれ
「はい、見ましたね? じゃ、行きますよ」
まるでスタンプラリーのような観光箇所の写真には、キャプションのつけようがない。結果、誰が建てたとか何年に建てられたとかガイドブックを開けば載っているようなことを書くハメになってつまらないのだ。

以前、デリーの空港から地下鉄に乗ってコンノートプレイスの店へ、友人に頼まれたクルタを買いに行ったことがある。最寄り駅であるはずの「シバジースタジアム」駅を降りたらなんだかやたらに出口がいっぱいあり、もともとが方向音痴の私は持って来た地図をぐるぐる回して首を捻っていた。
ふとまわりに目をやると、ミョーにターバンを被ったシークの人々が多いことに気が付いた。
「しめた!」
何がしめたのかというと、シーク教の人達は他のヒンズー教の人達に比べて俄然英語話す率が高い。
「あのー、コンノートプレイスどっちでしょうか?」
英語で何人かに訊いて無視されていたので渡りに船である。
誰に尋ねてみようかなとウロウロしていた矢先、とても誠実そうな顔つきのターバンのお兄さんがすうっと通り過ぎたので話しかけようとするも歩くスピードが異様に速く、後ろから追いかけて尾行?するような格好になってしまった。
とそのとき、目の前に開けたのがこんな風景。

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まったく知らなかったのだが、やけにシークの人々が多いと思ったらバングラ・サヒーブというシーク教寺院(グルドワラ)があったのである。
キレイな寺院に見とれていたら、あろうことか尾行していた誠実そうなお兄さんが
「入るなら靴脱いでね」
とか言ってくるではないか。
「いや、実は道を訊こうと思って、ここまで追っかけてきちゃったんだけど……」
正直に伝えたところ
「お参りしたあと実は僕もコンノートプレイスに行くから、一緒にお参りするなら連れていってあげるよ」
しまいにはシーク教寺院の案内までしてもらうことに。

 

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ものすごく氣のいい沐浴場とか、最近作られた美しい門とか、お兄さんは嬉々として自分のお寺の案内をしてくれ、ちゃんとコンノートプレイスまで一緒に歩いて連れていってくれた。
この2枚の写真、それほど出来がいいとは言いがたいのだけれど、私なりの物語があって忘れ得ぬ思い出なのだ。

ロケ地
Humayun’s Tomb (Delhi)

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この写真はデリーにあるフマユーン廟。写真自体はそれほどヘタクソでもないと思っているのだけれど

フマユーン廟

ムガール帝国二代目皇帝フマユーンのお墓だが、タージマハールのモデルとも言われていて左右対称のところなどもとてもよく似ている。
ボリウッド映画の「PK」や「2 States」の撮影が行われたところでもある。

……とこんな風にキャプションは、クソ面白くもないものになってしまうのである。

自分の足で歩いて迷って、小さなハプニングと無駄がたくさんの方が旅はやっぱり楽しい。

この映画が観られるサイト:

https://einthusan.tv/movie/watch/6085/?lang=hindi