ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

プシュカルが教えてくれたこと

プシュカルはヒンズー教の聖地。インドでただ1カ所だけ、ブラフマー神を祀るお寺がある場所だ。
ブラフマー神にはサービトリという奥さんがいたのだが、ガヤトリーという恋人を作ったため、サービトリは山のてっぺんに引きこもってしまった。
そんなわけでブラフマー神のお寺にはブラフマーとガヤトリーが祀られている。

はじめてプシュカルに行った時
「ここはインドじゃない?」
と思った。虎視眈々と隙あらば騙してやろうというインド独特の雰囲気を、町の人達がまったく持ち合わせていないのだ。
なんとなーく
親切で、なんとなーく諦めがよく、なんとなーく抹香臭いことを言う。
そういう意味ではラダックにも似ているが、日本だとちょっとだけ伊勢っぽい。

https://www.instagram.com/p/BYnOkN_HVWg/

 プシュカルの町は、このプシュカル湖を囲むような感じで出来ている。

例えば宿屋で宿代を前払いしたいといった私に
「お金はあとでいい。生きていくのに必要なお金なら、あるから。いつだってお金が問題をもたらすんだ。お金は本当に幸せを壊す種なんだよ。だからお金のことを言わないで! ハッピーに過ごせたら払って」
と言ったゲストハウスの主。

湖のほとりの売店で店主と馬鹿話をしていた時のこと
店主「この店は何でも売ってるんだ」
私「本当に? 売ってないものはないの?」
店主「ああ、そうとも」
私「愛も売ってる?(笑)」
店主「あ、愛は無料(さらっと)」
店主はそういって、ただ湖を見つめていた。
町の人のなにげない言葉ひとつひとつ、私の心に引っかかって離れなくなるのだ。

それでもここはやっぱりインドだから
「暇そうにしてるから、ガヤトリーが祀られてるお寺へ連れてってあげるよ」
「明日はガネーシャが祀られているアルー・ババっていうお寺に案内してあげるよ」
「アジメールに買物に行こうぜー」
ゲストハウスの主やらその友達連中がやいのやいのと声をかけてくれる。だから、ひとりでふらっと行ってもちっとも寂しくなんかならないのである。
もともと、静かにゆっくり考えたいことがあってプシュカルに向かったのだけれど、「ひとりにさせてくれないインド」はここでも健在。それでも
「今日は疲れてるから行かない」
断れば、「あっ、そう。じゃまた明日ね」とひっこめてくれるさっぱり具合はとても楽だ。

https://www.instagram.com/p/BYqpszCHsp7/

 

プシュカル湖のほとりに座り込み、満月を眺めながらプシュカルで町の人達とした無駄話と馬鹿話を思い出しながらぼんやりしていると、色んな想いが心に浮かんでくる。

 

期待しすぎないこと。
Less expectation


約束しないこと。
No promise.


人を幸せにしようとしないで、人と自分が幸せになるようにすること。
Stop making people happy, be happy with them by yourself.


小さなどうでもいいことをコントロールしようとせず、そのままにして流して忘れること。
No control, Let the small things leave and forget.


心に想いを閉じ込めないこと。耐えられなくなった叫んだっていい。
Don’t keep everything in your mind just express.If you can’t stand anymore then you may Shout sometimes.


サービトリになるなかれ。
Be Gayatri.


誰かの言葉をきくのではなく、ハートの声を聴け。
Don’t listen to someone, listen to your heart.

 

プシュカルはいつも、私にいろんなことを悟らせてくれる。
RAM RAM(ありがとう、幸あれ)