ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

⑦Bさんの『気楽な日本便』

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DBC・マレーシア人

日本人って丁寧で、英語が分からないからすごく楽。日本便1泊のアローワンス(滞在手当)も、1万4千円くらいで格段に良い。ホテルに付いたらもう夜だから、機内食の残りを食べて飛行機から下りれば、食事をする必要もないから、あとは寝るだけ。翌朝は香港から持って来たパンでも食べて飛行機に乗れば、クルー用のサンドイッチなんかがあるから、1円も使わずに済む。外貨で貰うアローワンスは香港では非課税だから、頑張って倹約しなくっちゃ。
日本人のお客さんに呼ばれても、日本語は分からないと肩でもすくめておけばいいから、仕事の量も少ない。
ところで日本人の『コーヒーいかがですか?』と聞いた時の、片手を顔の前で振りながらお辞儀をする動作は、欲しいのか欲しくないのかインド人の首振りと同じく未だに謎。あと、胸の前で両手を交差させる、ウルトラマンの『シュワッチ』ポーズは何なんだろう?
日本人クルーといえばあの子達って、どうしてああもグズなんだろう。1度お客さんに捉まると、お辞儀ばっかりして時間が掛かる。それにあの長いPA(機内アナウンス)、『各位旅客』の一言でさえ、『ごとうじょうのおきゃくさまにごあんないもうしあげます』。彼女がPAするそのたんびに、私の仕事が増えるんだから勘弁して欲しいわ。
あっ、お客さんが呼んでる。
「お茶いただけますか?」
弱ったなあ、日本語は分からないのに。
「すいませーん、ノーノージャパニーズね」

ギャレーに戻って日本人クルーに押し付ける。
「ミキさーん、日本人のお客さんが何か言ってるんだけど、分からないから行ってくれる?68のG」
よしよし日本人クルーを行かせたし、さあてっと降りる前に食事でも済ませるか。