ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

添乗員はガイドではない

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「添乗員はガイドではない」ということが、意外にも理解されていない現実がある。

たとえば、僕は国内と海外のツアー・コンダクター(添乗員)資格を持っているが、訪日外国人を日本で報酬を得て案内すれば違法となる。なぜなら、日本でガイドを行うには、通訳案内士(英語ではLicensed guide)という資格が必要だと法律で決められているからだ。違反すれば通訳案内士法規定の第四十条・三により、50万円以下の罰金。

日本国内で日本人相手にガイドをするのに免許は必要ないので、国内で日本人を相手にしている限りは、僕も「スカイツリーの高さは634mです」と案内し放題なのだけれど、相手が日本語のわかる訪日イスラエル人だったら即、違法なのだ。 国内の添乗員さんは覚えておいて欲しい。 もし、お客さんの中に一人でも訪日観光客が居たとしたら……その人がいかに日本語がペラペラだったとしても、その人に対する観光案内は違法になる。

話が横道に逸れてしまったが、では、イスラエル人の日本語ペラペラの添乗員さんが、日本でヘブライ語でガイドをしていたら? 外国人の添乗員さんであっても、対象が訪日外国人であれば、日本での営業目的の案内行為は違法である。 この場合、イスラエル人旅行団は日本の通訳案内士さんを雇うのだが、ヘブライ語の通訳案内士は居ないので、イスラエル人の通訳案内士がみつからない場合は英語の通訳案内士さんが来る。そして、英語で案内してもらって、イスラエル人添乗員さんがヘブライ語に訳して話すことになるのだが、これはガイドではない。通訳なのである。 ただ、これをやっていると時間がかかる……ということで結局、日本をよく知っているイスラエル人添乗員さんの場合は全部説明してしまうこともあるだろう。英語の通訳案内士さんはいわば「鞄持ち」となって、ひとことも発せずただ同行しているだけになるのだが、これもテレパシーか何かで(?)通訳案内士さんから受け取った情報を添乗員さんは通訳しているだけなのである。