ぼうけんこぞう

旅と冒険(回遊ともいう)の軌跡と映画

⑤カテゴリー

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カテゴリーについても少し説明をしておこう(図1参照)。
まずLBCもしくは7BC、今はエアバスのABCもある。自分が乗務を始めた機種が、747型機(ジャンボ)かトライスター機(L10)かエアバス機かによって名前が違うだけで、下っ端には違いない。
試用期間を終え、ジャンボとL10、どちらの機種にも乗れるようになるとDBCというのに出世する。この頃からエコノミークラスに加えて、ビジネスクラスも担当するようになる。Dはデュアルの意味である。現在はジャンボとエアバスを両方乗りこなすSBCというのも登場した。
その次はファーストクラス・パーサー(DFP)で、エプロンの色が紺から赤に変わって汚れが目立つようになり、ファーストクラスだけを担当するので今迄のように『アイロンを掛けなくても、まあいっか』という怠惰は許されなくなる。一応パーサーという肩書きも付き、管理職手当のようなものを貰うが、相変わらず誰も管理するわけではない。
次はEYパーサー(DPF)で制服もエプロンも、ファーストクラスと何ら変わりないが、エコノミークラス後方の親分となり、DBC・BC達を管理するので給料こそ変わらないものの中堅、中間管理職というところか。
そのEYパーサーも真ん中のギャレーにおいては、1つ上のランクのシニアパーサー(DSP)という紺色の制服達に管理されてしまう。制服の色から目の前で悪口を言う時などに、『紺服』と言われるのがこの人達である。
この紺服の上は機内での最高権力者、組長とも言われるチーフパーサー(CP)である。

図 1
カテゴリーと服装の早見表
カテゴリー
制服
エプロン
直属の上司
7BC/LBC/ABC 赤 赤 DPFF
DBC/SBC DPF/DSP
DFP DSP
DPF DSP
DSP CP
LCP/SCP/7CP なし なし

昇進は素行によって遅れることはあっても、仕事が出来るからと言って早まることは、まず無い。上のポジションが空いたら、入社日に従って昇進するという年功序列である。
それぞれへの移行は、キャビンクルー全体の数が増えれば増える程遅くなり、誰も辞めなければ誰も昇進しない訳で、詳しい年数は言い切れないが、私の時でBCを9ヶ月、DBCを3年3ヶ月、DFPを1年3ヶ月、EYパーサーを4、5年、シニアパーサーを9年くらいだろうか。
チーフパーサーになるには役19年ほど掛かる計算になる。入社規定は国によって違うが、日本人の場合は短大卒以上の28歳まで。短大卒であるから最年少でも20歳、これで入社したとしても、40近くなってやっとチーフパーサーになれる。当時は定年が40歳だったので、28歳で入社した折には、チーフパーサーへの夢は捨てなければならない。
1997年中国返還以降に、どっと辞めてしまう人が出るか、新しい飛行機が毎日会社に購入されて、増便が相次げば話は別である。
別に会社で上に立とうとなんて思っておらず、『結婚までの腰掛け』と割り切れば、こんな楽しい仕事はないと私は思う。

さて基礎情報も少しわかって来たところで、キャビンクルーの皆様に登場願って、『スチュワーデスの実態』に迫ってみよう。